新型ベントレーコンチネンタルGTはフェラーリにも劣らないスーパーカーだった!!! ハイブリッド化で12気筒にも負けない&環境にも優しい“超高級車”に迫る

AI要約

新型ベントレー「コンチネンタルGT」の試乗レポート。ハイブリッド化による走りの変化や特徴を詳細に解説。

プロトタイプでの試乗から、内外装や走行性能、バッテリーの影響などを詳しく報告。

12気筒モデルに勝るとも劣らないパワーとレスポンス。新しいV8 PHEVパワートレインの魅力に迫る。

新型ベントレーコンチネンタルGTはフェラーリにも劣らないスーパーカーだった!!! ハイブリッド化で12気筒にも負けない&環境にも優しい“超高級車”に迫る

第4世代に進化したベントレー「コンチネンタルGT」の走りは素晴らしかった! プロトタイプに試乗したGQ JAPANのライフスタイルエディター、イナガキがリポートする。

5月16日、ベントレーの新型コンチネンタルGTに関する情報が一部発表された。最大の目玉はハイブリッド化だ。実際に乗ると、電動化はコンチネンタルGTの魅力を大いに高めていた! と、同時に、2024年には生産中止となるW型12気筒ガソリンツインターボエンジンの代わりになり得るパワートレインであると確信した。

試乗は、スペインのバルセロナから1時間ほどに位置するサーキット、「Parcmotor Castellolí」でおこなわれた。全長約4.140kmで、アップダウンがいくつもあるコース。新型コンチネンタルGTを試すには必要にして十分である。ただし、用意されたモデルがプロトタイプだったため、試乗はわずか4周のみ。それでも、新型コンチネンタルGTの魅力はしっかりわかった。

冒頭のプレゼンテーションで新型コンチネンタルGTがいかに革新的で環境に良いハイパフォーマンスモデルかの説明があった。数値だけで言えばライバルとなるフェラーリ「ローマ」およびアストンマーティン「DB12」よりパワフルで、CO2排出量が少ないという。くわえて、コンチネンタルGTには大人ふたりがきちんと座れるリヤシートと実用的なラゲッジルームもあるから利便性も申し分ない。つまり、オールマイティな1台なのだ。

ピットに並べられた試乗車のエクステリアは偽装が施されており、違いがよくわからない。ただし、シルエットは歴代モデルを継承することから、大胆な“イメチェン”とはならないだろう。それだけコンチネンタルGTのエクステリアデザインは完成度が高く、かつユーザーからの評価が高い証だ。

乗り込むと上質なレザーとウッドをたっぷり使ったゴージャスかつスポーティなインテリアが目に飛び込む。こちらもまたエクステリア同様、詳細は不明。はたして、新型の内外装はいかに……6月の正式発表まで待つべし。

今回はごくごく限られた情報のなかでのインプレッションがメイン。技術の詳細も明かされなかった。

ただ、走り出した瞬間から違いは実感した。試乗車はバッテリー残量が60%近くあったため、まず電気のみで静々走る。

そしてレスポンスの良いモーターだけに、みるみる内に速度が上がっていく。味付けはマイルド。アクセルをちょっと踏んだだけで、ドンっと猛烈に加速するような乱雑さは皆無。どちらかといえば従来の12気筒エンジンに近しいドライブフィールだ。

バッテリーの重さも効いている。乗り心地は非常に良く、とくに走行モードでB(ベントレー)モードを選ぶと、丁寧にショックを吸収し、終始フラット。静粛性の高さと乗り心地の良さは従来モデルでも折り紙付きだったが、それをうわまわる。ちなみに、バッテリー容量は25.9kWhとのこと。

ピットを出て1コーナー目を抜けると上り坂にさしかかる。ここで、アクセルをグイッと踏み込むと、エンジンが瞬時に始動し、モーターの力も相まって力強さを感じた。メーカー発表公式値、0~100km/hの加速タイム3.2秒は伊達じゃない。この数値は12気筒モデル搭載と遜色ないそうだ。ちなみに、車重は明かされていないものの、現行V8モデルが2.2tだからそれより重いことは間違いないだろう。バッテリー容量から予想するに2.6~2.7tぐらいと思われる。

それほどの車重にもかかわらず、いくつものコーナーを高速でパスしていくのは見事だ。とくに48V電気式アンチロールバーの効果は絶大。アンチロールバーに強力な電気モーターを搭載し、ボディのロールを抑えるこのシステムによって、ボディを水平にキープする。また新たに採用され「アドバンス・ツイン・バルブ・ダンパー」の制御も素晴らしく、車重を意識させない。個人的には12気筒モデルとコーナリングスピードの限界域は大きく変わらないように思う。もし、本気で“攻める”のであればスポーツモードに切り替えればよし。より、路面に吸い付く感覚だ。さらに、エンジンサウンドも重低音が増すから“やる気”にさせる。電動化でも、ベントレーはスポーティネスを忘れていないのだ。

とはいえ、やっぱり重量級モデルゆえ、“軽快”ではない。ライバルであるフェラーリ ローマの1.57tだから、それよりもプラス1t近くも重いのだから致し方ない。もっとも、ベントレーは峠を攻めるようなクルマではなく、優雅にクルージングを楽しむのが主眼だろうからオーナーにとってはさほどデメリットにはならないはず。

ブレーキフィールについても触れる。回生ブレーキだが、違和感はまったくナシ。ごく自然に止まるし、踏めば踏むほどしっかり止まるからサーキット走行も問題なくこなす。ヘビー級の車重を意識させない強力なストッピングパワーはさすが!

途中、コンフォートモードも試す。ダンパーの減衰力が瞬時に切り替わりソフト寄りへ。サーキットのストレートを、まるで大型船に乗っているのかのごとくふんわりと進む。Bモードと異なり適度な揺らぎが心地よい。ただし、サーキットでは足まわりがやわらかすぎてちょっと頼りない。あくまで通常の街乗りや高速道路での巡航走行向きのモードだろう。

新しいコンチネンタルGTは、12気筒モデルに匹敵するパワーとレスポンスが印象的だった。これまでのマルチシリンダーならではの魅力も捨てがたいが、環境問題などを考えるとそうも言っていられないし、ベントレーは電動化を推し進めているだけに、なおさらだ。

そうした状況を鑑みて新しいV8 PHEVパワートレインに12気筒らしさを盛り込んだのかもしれない。12気筒オーナーからしたら「なんだV8か……」と、思うかもしれないが百聞は一見にしかず。ぜひ、試してほしい。12気筒並かそれ以上の快感を得られるだろう。