マツダが電動化時代へ向けたロータリーエンジン開発の概要を発表

AI要約

マツダはロータリーエンジンを用いた次世代パワートレイン開発の概要を発表。

マツダはビルディングブロック戦略を通じて多様なパワートレインを展開。

ロータリーエンジンを含むソリューションを追求。

マツダが電動化時代へ向けたロータリーエンジン開発の概要を発表

マツダは2024年5月28日、トヨタ、スバルと共同で開催した次世代パワートレインの技術説明会「マルチパスウェイ ワークショップ」において、ロータリーエンジンを用いた次世代パワートレイン開発の概要を発表した。

マツダは2007年より、エンジン車の技術を徹底的に磨きつつ、そのうえで電動化技術を組み合わせていくことでCO2削減を実現する「ビルディングブロック戦略」を推進。ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、ハイブリッド、プラグインハイブリッド、電気自動車(EV)、ロータリーEVシステムと、さまざまなパワートレインを用意し、適材適所で好適なそれを提供するマルチソリューション戦略を展開してきた。

いっぽうで、今日では「電動化時代にエンジンはどうあるべきかを考えるときが来た」(廣瀬一郎専務兼CTO)とも考えており、エミッション規制への適合とカーボンニュートラル燃料への対応、自由なデザインを可能にするパッケージ革新を、その課題であると想定。これらをクリアするソリューションのひとつとして、ロータリーエンジンの研究を進めていくとした。

例えばロータリーエンジンは、動弁機構を持たないシンプルな部品構成や、回転するローターとハウジングの間で燃料を燃やすユニークな燃焼、燃焼室にオイルを噴射する独自の潤滑機構などから、多様な燃料に適応するという。環境負荷低減に寄与するもののなかでも、バイオ燃料やe-fuel(合成燃料)といったカーボンニュートラル燃料、メタン、水素と、さまざまな燃料を使用することが可能だ。いっぽうで、コンパクトな構造は電動パワートレインで重要となる補器類の搭載に有利で、またスタイリングの自由度も増すことから、空力性能の改善にも貢献できるという。

いっぽう、年々厳しさを増す環境規制への対策も進めており、電動ユニットとの組み合わせで燃焼効率のよい回転域だけで稼働させることにより、HC(炭化水素)やNOx(窒素酸化物)の排出量を低減。さらに、電気をロータリーエンジンの暖機やキャタライザーの昇温にも用いることで、レシプロエンジンと同等の排ガス浄化性能を実現できるとしている。

説明会では1ローターのロータリーエンジンを用いた電動パワートレイン「ロータリーEVシステムコンセプト(1ローター)」とともに、コンセプトカー「アイコニックSP」への搭載を想定したという2ローターの電動パワートレインも展示。同ユニットではドライサンプ式の潤滑システムを用いることで、さらなる嵩(かさ)の低減を実現していた。

マツダでは今後も、電動化やカーボンニュートラル燃料と相性のよいロータリーエンジンを社会に広く貢献できる技術として育成できるよう、挑戦していくとしている。

(webCG)