デュポン、3つの公開会社への分割を計画-ブリーンCEO退任へ

AI要約

米化学メーカーのデュポンが3つの会社に分割する計画を発表。これによりエレクトロニクス部門と水部門が分離され、バイオ医薬品や特殊不織布、繊維製品に集中する。またCEOの退任も明らかになった。

これによりデュポンは他の産業コングロマリットに続く分社化の動きを示し、新しい成長戦略の追求に向けた柔軟性を得る。株価も上昇し、分離完了に向けて進展している。

産業コングロマリットの中で、シナジー効果の恩恵が小さくなっている動きがあり、分割が企業価値向上の鍵となっている。

(ブルームバーグ): 米化学メーカーのデュポンは公開会社3社に分割する計画を発表した。特定分野への集中や規模縮小によるリターン改善を図り分社化・企業分割を行ってきたジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)などの産業コングロマリットに続くことになる。

同社は22日の発表資料で、税負担のない取引を通じてエレクトロニクス部門と水部門を分離すると説明。残る事業はバイオ医薬品や医療機器などの分野に集中するほか、特殊不織布「タイベック」や繊維「ケブラー」などの製品を扱う。

また2020年に最高経営責任者(CEO)に復帰したエド・ブリーン氏が6月1日にCEOを退任すると同社は発表した。ブリーン氏は部門分離後に残る社の執行会長にとどまり、ロリ・コッチ最高財務責任者(CFO)がCEOに就任する。

近年、J&Jやユナイテッド・テクノロジーズ、ダナハー、ゼネラル・エレクトリック(GE)など業界を代表する企業が株主価値を高めるために分社化を行ってきた。

クイーンズ大学スミス経営大学院のバリー・クロス教授は、多くの伝統的な産業コングロマリットでは固定費の節約などのシナジー効果の恩恵が小さくなっていると指摘した。

ブリーン氏は発表資料で、分割により新会社はいずれも「ポートフォリオを強化する企業の合併・統合(M&A)を含む、的を絞った独自の成長戦略の追求に向けより大きな柔軟性」を得られるだろうと述べた。

22日の米株式市場時間外取引でデュポンは上昇。ニューヨーク時間午後6時16分(日本時間23日午前7時16分)時点で5.3%高で推移している。今年に入って22日の通常取引終了時点までで約2%上げていた。

デュポンは株主投票と規制当局の承認を前提に、18-24カ月での分離完了を見込んでいる。

原題:DuPont to Split Into Three Companies as CEO Breen Steps Back (2)(抜粋)