遅刻の連絡に「承知しました。」と返したらマルハラ…部下とのコミュニケーションギャップを埋める“開き直り術”

AI要約

人間関係やコミュニケーションにおける毒舌や冗談の効果について語られています。

大切なのは、相手の状況に応じて態度を変えないことであり、微妙なバランスを保つことが重要だと述べられています。

適切な距離感や状況に合った言葉遣いが、相手に寄り添うことや笑いを生むことに繋がることが示唆されています。

遅刻の連絡に「承知しました。」と返したらマルハラ…部下とのコミュニケーションギャップを埋める“開き直り術”

 必要と思ってした指導がパワハラに。面白いと思って口にした一言で大炎上――。昨今は、これまでの当たり前が「いつの間にか不適切になっている」時代でもあります。とはいえ、当たり障りのないことを言ってばかりでは、つまらない人と思われ、印象に残りませんね。ときには毒舌や軽口が「人間関係のいいスパイス」になる――そう語るのは、放送作家で『「おもしろい!」と思われる話し方のコツ』の著者、野呂エイシロウ氏。そこで今回は、同じ内容でも「そんなバカなこと言うのは君しかいない!」と喜んでもらえる、コミュニケーションのコツを聞いてみました!

● ハレモノ扱いせず、毒舌や冗談で励ます

 調子がいいときは人間関係が円満でも、どちらか一方がピンチになると、そのバランスが微妙に変わってくることがあります。

 僕が人と関わるときに大切にしているのは、「相手がどんな状況でも、態度を変えない」ということです。

 数年前、僕が懇意にしていたクライアント二人が、自身のスキャンダルでボコボコに叩かれ、一人は左遷、もう一人は会社をクビになったことがあります。

 そうすると、今までスリスリしていた人はサッと離れていき、親しい人たちもどう励ましていいかわからず、ハレモノ扱いするようになりました。

 でも、僕は彼らとデコピンしあえるような仲だったので、「朝飯でも食おう」と高級ホテルに呼び出し、ゲッソリ顔で現われた二人をこう言って歓迎しました。

 「スキャンダルでお騒がせのみなさん、おはようございます。どうせ朝からヒマでしょ。シャンパンでもいかがですか?」

 「お前はホントにひどいやつだなぁ」と二人はあきれつつ、朝からわいわい乾杯して、帰る頃には「今日は人生最高の日だ!」と元気になっていました。

 また、病や老いや死に対して、妙に気を遣って触れないようにする人がいますが、それが優しさとは限りません。

 あえて普段通りの距離感で接するほうが、相手をいたわる気持ちが伝わることもあります。

 たとえば僕は、高齢の両親に会うときも、「元気にしてた?」などとしおらしいことは言わず、「お、まだ生きてるね」などとうそぶいています。

● 辛辣なのに好かれる人

 昨今、おもしろいことを言おうとして、かえって失言につながったり、誰かを傷つけてしまったりするケースが増えていると聞きます。

 その主な要因としては、コンプライアンスやハラスメントに対する世間の風当たりが厳しくなっていることもあるでしょう。

 一方で、「自分がおもしろいと思われればいい」と、独りよがりな考え方をする人も増えているように感じます。

 「2022年度アカデミー賞」授賞式の壇上で、俳優のウィル・スミス氏が、妻の持病による外見をジョークでいじったコメディアンを平手打ちした事件がありました。

 暴力に訴えるのはともかく、まったく関係性のない相手や、距離感のわからない相手から、いきなりひどいことを言われたら、いつの時代でも人は傷つきます。

 僕は、実家を出て30年以上たちますが、いまだに両親にほぼ毎日電話をしています。また、東京の自宅から実家までは、新幹線を利用しても片道1時間半かかりますが、月に一度は顔を見せに帰るようにしています。