AIと人知は別物、人のように扱うべきでない-マイクロソフトCEO

AI要約

米オープンAIが合成音声で笑ったり、歌ったり、話したりすることができるAI(人工知能)アシスタントを発表した。マイクロソフトはAIの擬人化に否定的な見解を示し、業界で議論が広がっている。オープンAIの新しい音声アシスタントは感情を理解し、感情を表現できる機能を持っており、注目を集めている。

テクノロジー企業は過去に女性のコードネームやキャラクターを付与することでAIに親しみや安心感をもたせており、マイクロソフトも例外ではない。これらの動きはAIと人間の関わり方について考えさせられる。

人工知能の発展が急速に進んでおり、AIの将来に対する期待や懸念が高まっている中、今後も注目が集まるであろう。

(ブルームバーグ): 米オープンAIが合成音声で笑ったり、歌ったり、話したりすることができるAI(人工知能)アシスタントを発表した1週間後、同社に最も近いパートナーであるマイクロソフトは人間とAIツールの関わり方について、微妙に異なる見解を示した。

マイクロソフトのサティア・ナデラ最高経営責任者(CEO)は20日のブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、AIの機能を表現するのに通常、人間にしか用いない言葉が使われていることについて、「私はAIの擬人化が好きではない」と発言。「どちらかと言えばAIは道具だと考えている」と語った。

ナデラ氏のコメントの背後には、AI技術が進歩し、より人間に近い反応をするようになった今、業界で沸き起こっている、AIサービスをどこまで人間化するかという議論がある。先週、グーグルの幹部1人はブルームバーグに対し、「感情を示す」AIツールをつくることは可能だが、同社は有用性と利便性を高めることに重点を置きたいと語った。

オープンAIは異なるアプローチをとっている。同社は先週、人の感情を理解でき、自らの感情を表現できるという新しい音声アシスタントのデモを行った。チャットボット「ChatGPT」の最新モデルに搭載されたこの音声アシスタントはデモの間に何回も、壇上でツールを使っている従業員にあたかも誘惑するような口調で話しかけた。

ソーシャルメディア上では、多くの人がこの機能を映画「her/世界でひとつの彼女」に登場する音声アシスタントになぞらえた。ユーザーからは、この映画で音声アシスタントの声を演じた女優スカーレット・ヨハンソンさんの声がデモの合成音声の一つに似ているとの指摘もあった。

ChatGPTによってAIが一般に認知される以前から、テクノロジー企業はAIに対して親しみと安心を感じてもらうためにAIプログラムに女性のコードネームやキャラクターを付与することが多かった。 ナデラ氏率いるマイクロソフトも例外ではない。チャットボット「Tay」、ゲーム「Halo」のAIキャラクターにちなんだ「Cortana」、Bing AIの「Sydney」がそうだ。