iPhone16発売開始 文字起こしや写真生成…出遅れのAIスマホ分野で巻き返せるか

AI要約

アップルが新型スマートフォン「iPhone16」シリーズの日本発売を開始。AI搭載の便利な機能を提供し、競合他社に差をつける狙い。

発売初日には客が殺到し、利用者からは機能への期待が高まる。AIによる音声文字起こしや写真生成など多彩な機能を搭載。

AIスマホ市場が拡大し、アップルもAI強化でシェアを維持。今後、AIスマホが市場の主流となる可能性が高いとの見解も出ている。

iPhone16発売開始 文字起こしや写真生成…出遅れのAIスマホ分野で巻き返せるか

米アップルは20日、新型スマートフォン「iPhone(アイフォーン)16」シリーズの日本での発売を開始した。生成AI(人工知能)「アップルインテリジェンス」を全機種に搭載し、音声の文字起こしや要約、写真生成など利用者に合った便利な機能を提供する。スマホ市場で競合他社のAI搭載モデルが人気を集める中、アップルはこの分野で出遅れており、新機種投入で巻き返しを図る。

発売初日の20日、東京都渋谷区の直営店「アップル表参道」は、予約した最新機種を受け取る客で賑わった。シリーズの上位機種iPhone16プロマックスを購入した東京都品川区のエンジニア、小田祥平さん(39)は、「iPhoneが私の癖を学習して機能を提案し、操作時間が短くなると嬉しい。本格的な写真編集にもチャレンジしたい」と笑顔を見せた。

iPhone16に搭載された生成AIによって、メール文章の修正や電話内容の要約、写真フォルダからの画像検索が可能となるほか、対話型AI「チャットGPT」にもアクセスしやすくなるなど、さまざまな機能で利用者の日常をサポートする。

AIスマホの分野では、米グーグルの「Pixel(ピクセル)」や韓国サムスン電子の「Galaxy(ギャラクシー)」が先行し、写真に写りこんだ不要物を消す「消しゴムマジック」や、目の前の物をカメラで映すだけでインターネット検索できる機能が人気を集める。アップルはこれまで操作を補助する「Siri(シリ)」などでAIを活用してきたが、より高機能なAIスマホの販売が不可欠と判断したようだ。

MM総研はiPhone16の登場により、今後はAIスマホが市場の主流となると予測。日本国内のAIスマホの出荷台数は令和5年度に385・3万台で、全スマホの出荷台数に占める割合は15・1%だったが、6年度に1149万台で44・2%、10年度には2317万台で88%に高まると試算する。

ただ、生成AIのサービスは10月に英語で提供され、日本語への対応は7年になる。iPhoneは日本のスマホ市場でシェアが5年度に51・9%と長年トップを維持するが、対応が遅れれば、他社にシェアを奪われかねない。MM総研の横田英明副所長は「AIスマホの立ち位置をいち早く確立したメーカーがこれからの主導権を握る」と予想する。(飛松馨)