たった1万2千円の値下げでiPhone 15を買ってはいけない…iPhone 16をITライターが「買い」と断言する3つの理由

AI要約

iPhone 16が発表され、価格は昨年と比べて据え置きの12万4800円から。しかし、スペックの向上や8GBの内蔵メモリー搭載など、非常に魅力的なモデルとなっている。

円高の進行や半導体不足といった要因がある中で、iPhone 16の性能は大幅にアップしており、iPhone 15との比較も容易にその差を感じることができる。

ITライターの山下達也さんも、「iPhone 16は今年買い換える価値がある」と評価しており、非常に注目されているモデルである。

もはや12万円超えは当たり前。半導体不足や円安などを理由に史上最高価格を更新したiPhone 15から1年。今年も9月に「iPhone 16」シリーズが発表された。昨年とはうって変わって円高進行中だが、価格は据え置きでiPhone 16は12万4800円から。しかし、ITライターの山下達也さんは「スペックと潜在能力を見れば、iPhone 16はこれまでにないほどの買い得モデル。買い換えるなら来年の17ではなく今年だ」という――。

■円高差益還元はなし? それでも満足なiPhone 16のハイスペック

 2024年9月10日(火)未明に海外イベントにて発表され、20日(金)より店頭販売が開始される「iPhone 16」シリーズ。気になる価格は据え置きとなっており、その為替レートは図表1の通り。iPhone 16およびiPhone 16 Plusという、いわゆる「無印モデル」が、「Proモデル」と比べてわずかに割安となっているが、これはほとんど誤差と言っていいだろう。昨年9月は1ドル=147円前後でしかも円安傾向があったのに対し、今年の発表時は1ドル=143円、さらに本稿執筆時点で140円前後まで円高が進んでいることを考えると、むしろトータルでは割高になっているようにも感じられる。

 なお、既存の「iPhone 15」シリーズは今後も併売され、新モデル登場に合わせて価格を改定。無印のiPhone 15が各モデル1万2000円、画面が少し大きいiPhone 15 Plusが各モデル1万5000円値引きされることになった。携帯電話ショップなどの旧機種値引きキャンペーンなども併せれば、実際にはより価格差が大きくなっているはずだ。

■iPhone 16を買うべき理由その1、CPUが初めてProと同世代に

 しかし、それでも新発売のiPhone 16はかなりの買い得モデルで、1~2万円程度の価格差を理由にiPhone 15を選ぶのは「悪手」だと断言できる。

 その第一の理由は、ハードウエアスペックがこれまでにないレベルで大きくジャンプアップしているから。これまでの無印モデルは、Proモデルが前年に採用していたSoC(CPUも含めた多機能チップ)の「おさがり」を搭載するのが常であったのだが、「iPhone 16」シリーズでは、無印モデルもProモデルと同じ最新「A18」世代のSoCを搭載(ただしProモデル向けは「A18 Pro」という上位グレード)。これにより、iPhone 15と比べてCPU性能が最大約1.3倍に(4年前のiPhone 12と比べると最大約1.6倍)、グラフィック性能は約1.4倍に(iPhone 12と比べると最大約2倍)と大幅パワーアップしているのだ。

 さらに、公式には非公開の内蔵メモリー(RAM)についても、Appleのハードウエアテクノロジー担当シニアヴァイスプレジデントJohny Srouji氏が発売前のインタビューで「無印モデルもProモデル同等の8GBメモリを搭載する」と発言した(無印はiPhone 13以来iPhone 15まで、ずっと6GBだった)。複数アプリを切り換えながら利用する際に重要な内蔵メモリーは、動作速度だけでなく安定性にも大きく寄与。今はまだ6GBでも十分に快適だが、今後、数年使っていく中で各アプリ(特にゲームなど)が求めるメモリサイズがさらに大きくなっていくであろうことを考えれば、8GB搭載は非常にありがたい進化と言えるだろう。