いつの間に?都電荒川線の沿線風景変わる「トンネル工事」の今 雑司ヶ谷―鬼子母神前間の地下に道路開通予定

AI要約

都電荒川線は三ノ輪橋から早稲田までを結ぶ路線で、沿線には桜の名所が点在する。

荒川線は最盛期の都電路線の中でも唯一現存し、街並みは日々変化している。

現在の荒川線は50周年を迎える2024年を迎えることが予定されており、歴史ある路線である。

いつの間に?都電荒川線の沿線風景変わる「トンネル工事」の今 雑司ヶ谷―鬼子母神前間の地下に道路開通予定

 都電荒川線は三ノ輪橋(荒川区)―早稲田(新宿区)間の12.2kmを結ぶ。日中は6~7分間隔で運行しており、沿線住民の生活を支える足となっている。

 東京都交通局は2017年から「東京さくらトラム」の愛称を付け、国内外から東京を訪れる観光客にもアピールする。その愛称の通り、渋沢栄一が邸宅を構えた飛鳥山など、沿線には桜の名所が点在する。

 1911年8月20日、渋沢らの後援で設立した王子電気軌道が現在の飛鳥山―大塚駅前間にあたる飛鳥山上―大塚間に都電荒川線のルーツとなる路面電車を開業した。

■唯一の都電となった荒川線

 最盛期の都電の路線は営業キロ約213km、40系統の規模を誇った。が、縦横に張り巡らされていた路線網は戦後、道路の交通渋滞の深刻化とともに姿を消した。そのなかで、荒川線はほとんどが専用軌道を走っていたことなどを理由に廃線を免れた。

【写真】都電荒川線の学習院下―都電雑司ヶ谷間の今。地上の都電と地下の東京メトロ副都心線の間に道路トンネルが通る予定の鬼子母神前周辺の様子など(50枚)

 現在の荒川線は1974年10月1日に三ノ輪橋―王子駅前間の「27系統」と荒川車庫前―早稲田間の「32系統」を統合して誕生した。2024年は50周年の節目の年となる。

 現存する唯一の都電――と聞くと、昔も今も変わらない街並みの中を走るイメージが強いが、荒川線の沿線風景は日々大きく変化している。

 早稲田大学のキャンパスが近い都電荒川線の早稲田から三ノ輪橋方面の電車に乗ると、北西へ進んで最初の停留場が面影橋。東京メトロ副都心線が地下を走る明治通りの手前でほぼ直角に曲がり、神田川を渡って豊島区に入る。次の停留場が学習院下。文字通り学習院大学のキャンパスの南に位置する。

 学習院下付近からは上り坂。東側に平行して「のぞき坂」がある。もう1つ東側は「宿坂」で、坂の下に「目白」の地名の由来となった目白不動尊をまつる金乗院がある。

 都電荒川線は明治通りに沿って坂をぐんぐんと上っていき、東西方向に通る目白通りをくぐる。明治通りと都電をまたぐのが千登世橋・千登世小橋だ。この坂の途中から北側は大規模な工事が進行中であることがわかる。目白通りと明治通りをつないでいた歩行者用の階段はすでにない。