じつは「文系三大国家資格」のひとつだが…マイナー資格「不動産鑑定士」は一体どんな仕事なのか?

AI要約

不動産鑑定士とは、不動産の価値を判定し、利用方法を評価する専門家であり、合法的に不動産の評価を行うための国家資格。

不動産鑑定士は弁護士や公認会計士と同様の国家資格であり、試験に合格し実務修習を経て資格を取得する必要がある。

不動産鑑定士の試験難易度は高く、合格率が低いため、専門性と倫理観が求められる職業である。

じつは「文系三大国家資格」のひとつだが…マイナー資格「不動産鑑定士」は一体どんな仕事なのか?

弁護士・公認会計士と並んで、文系三大国家資格と言われている「不動産鑑定士」。ところが、一般的にはあまり知られていないのが実情だ。どんな仕事なのか、誰でもなれるのか、年収はいくらなのか、合コンではモテるのか……。登録者数70万人超の人気YouTubeチャンネル『桃太郎オフィス』で知られ、著書『悪魔の不動産鑑定』も話題の泰道征憲氏と中瀬桃太郎氏が、不動産鑑定士に関するあらゆる疑問に答える。

不動産鑑定士とは、不動産の有効な利用方法を判定し、不動産の適正な価値を判断する専門家です。価格はもちろん賃料も査定できますし、土地や建物など、不動産なら全て鑑定評価できます。

不動産鑑定士は、弁護士、公認会計士に並ぶ文系三大国家資格のひとつですが、その認識は、微妙なラインに位置しているのが実情です……。

弁護士や公認会計士と同じく業務独占資格に当たるため、不動産鑑定士以外の人が不動産の鑑定評価を行うと刑事罰の対象になります。それゆえ、高度な専門性と倫理観が要求され、難易度の高い試験に合格しなければならないことが文系三大国家資格(一応)と称されている所以です。

では、不動産鑑定士は日本に何人いるのでしょうか。その数なんと約8,600人(令和5年1月1日時点)です。といってもこれでは、多いのか少ないのか分かりにくいので、他の士業(10士業)と比べてみましょう。

弁護士は約4.6万人、公認会計士は約3.5万人、税理士は約8.1万人、その他の士業も概ね1万人は超えています。ですので、不動産鑑定士は10士業の中で一番マイナーな資格と言えます。

では、不動産鑑定士の試験難易度はどうでしょうか。不動産鑑定士になるには、短答式試験と論文式試験に合格し、一定期間の実務修習を修了する必要があります。

まず、短答式試験と論文式試験に受かるためには、2,000~3,700時間、勉強に専念して1~2年程度かかると言われています。

また、令和5年度の合格率は、短答式試験で33.6%、論文式試験で16.5%、一発合格を狙うと約5.5%です。これでも過去の試験と比べるとだいぶ上がってきています。

さらに短答式試験と論文式試験に受かった後は、1~2年程度、実務修習する必要があり、その修了考査に合格してはじめて「不動産鑑定士」と名乗ることができます。勉強を始めて資格登録に至るまで、最低2年は見ておいた方がいいでしょう。

次に、不動産鑑定士の仕事内容です。もちろん、不動産の経済価値を判定することですが、土地・建物の評価をはじめ、地代・家賃の評価、開発計画に関するコンサルティングなどとかなり多岐にわたり、依頼目的も売買や担保評価等と様々です。

また、主にBtoBの仕事のため、不動産業界では珍しく土日祝が休みとなります。