〔東京外為〕ドル、一時140円台後半=米金利低下で急落(11日午後5時)

AI要約

11日の東京外国為替市場のドルの対円相場は、米長期金利の低下により急落し、約8カ月ぶりの安値水準を記録した。

米大統領選候補者討論会や日銀審議委員の講演を受け、ドル売り・円買いが広まったが、一時的なドル売りに終わった。

日本時間今夜には米消費者物価が公表され、来週のFOMCでの利下げ幅を見極める材料として注目されている。

 11日の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、米長期金利の低下を受けて日米金利差縮小を意識したドル売り・円買いが広がり、一時1ドル=140円台後半に急落した。約8カ月ぶりの安値水準。午後5時現在は、141円37~38銭と前日(午後5時、143円61~62銭)比2円24銭の大幅ドル安・円高。

 ドル円は米大統領選の候補者討論会や中川日銀審議委員の講演などを背景に売りが強まり、午前10時半すぎに141円50銭台に下落。いったん下げ止まり、正午にかけては142円付近まで持ち直したが、午後に入ると米長期金利の低下に加え、日経平均株価が下げ幅を900円超に拡大する中で売りが膨らみ、午後2時すぎに140円70銭台まで水準を切り下げる展開になった。ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢となり、141円50銭台に値を上げた。

 午前10時から行われた米大統領選候補者討論会では、共和党のトランプ氏が劣勢との見方が広がり、「トランプリスク後退からドルが売られた」(FX会社)という。日銀の中川審議委員が、同時刻の秋田市での講演で追加利上げに前向きな姿勢を示したこともドル売り・円買いにつながったようだ。「どちらも明確なドル売り材料ではなく、思惑的な動きのため、売りは続かなかった」(同)と指摘されるが、午後に時間外の米長期金利が一段と低下し、日経平均が大幅安となったことでドル売り圧力が強まったとみられる。

 日本時間今夜には米消費者物価が公表される。来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ幅を見極める材料として注目されており、結果次第では動意付く可能性がある。

 ユーロは対円で大幅下落、対ドルで上昇。午後5時現在、1ユーロ=156円08~10銭(前日午後5時、158円50~52銭)、対ドルでは1.1041~1041ドル(同1.1036~1037ドル)。