初回クーポンの沼から抜けられない“美容室難民”の実態 「どこにするか決め手がない」と悩む顧客と美容師の本音

AI要約

美容室難民になる理由として、引っ越しや美容師の辞めたために関係を築けなくなることが挙げられる。

美容室難民は新しい美容室を探す際、初回クーポンを利用しているケースが多い。

初回クーポンを利用することで、気軽に新しい美容室を試すことができるが、お得感によってクーポンサイトで繰り返し利用することもある。

初回クーポンの沼から抜けられない“美容室難民”の実態 「どこにするか決め手がない」と悩む顧客と美容師の本音

 美容師との関係値を築き、行きつけの美容室があるという人は多いだろう。自分と相性が良い美容室があれば楽だが、さまざまな理由から美容室を転々とする人たちもいる。そんな“美容室難民”たちはどんな悩みや不満を抱えているのか。そして美容師はそんな顧客をどう見ているのか。双方に話を聞いた。

 IT企業勤務の30代女性・Aさん(埼玉県在住)がそもそも美容室難民になったきっかけは、引っ越しがきっかけだった。

「それまで10年住んでいたところでは、マンションの隣にある美容室に通っていました。単純に近かったからというだけですが、美容師さんともまあまあ仲良くしていたんです。

 でも引っ越し先では近所に美容室がなくて、どうやって美容室を選んだらいいかわからず……。もともと私は髪が長く、カラーもしないので、正直、美容師さんによる技術力の差をそんなに感じることもない。そうすると、逆によほど美容師さんと性格的な相性がいい場合じゃない限り、決め手がないんです。

 だんだんどこでもよくなり、今では美容師さんと関係を築く気もなくなりました。いちいち日常会話をしなくちゃいけないのも面倒だったし、初めて行くお店で初回クーポンを使い続ける生活になって、もう3年です。結果的にお得感があり、このスタイルから抜けられません」(Aさん)

 PR代理店勤務の20代女性・Bさん(東京都在住)も初回クーポンにはまっている。ただ、「最初からクーポンにこだわっていたわけではない」という。

「通っていたサロンでお世話になっていた美容師さんが辞めてしまってから、美容室難民になりました。それから、インスタや口コミをいろいろ調べて、新しいお店に行くようになったんですが、思い通りの髪型にならないとか、カラーにムラがあるなどが続きました」

 なんとかしてお気に入りの美容室をみつけようとしたBさん。「美容室の検索にはクーポンサイトが便利」ということに気づいてから、「初回クーポン」の沼にハマった。

「いろいろ調べて失敗したらダメージも大きいですが、初回のお試しだと思えば、気が楽です。しかも、予約の時点で口コミを『書く』としておけば、美容室のほうもこちらがクーポンサイトから来た新規で、かつ口コミを書かれるのもわかっているのか、接客がこころなしか丁寧になっている気がします。ただ、別にクーポンありきというわけではなく、どこか一つに決めたいという気持ちはありますよ」(Bさん)