NHKドラマ『坂の上の雲』人気で”再注目”、日本軍の「駆逐艦」=「日の丸デストロイヤー」の”スゴすぎる実力”を全公開…!

AI要約

NHKのスペシャルドラマ「坂の上の雲」の再放送が話題になっている。明治の青春群像ドラマの傑作で、日露戦争とその時代を描いている。

「日本駆逐艦全史1896~1945」が注目される中、日露戦争で大活躍した駆逐艦の事実について紹介されている。

「雷」型、「東雲」型、「暁」型、「白雲」型など16隻の英国製駆逐艦が活躍し、特に「漣」がロシア駆逐艦を拿捕したことで知られている。

NHKドラマ『坂の上の雲』人気で”再注目”、日本軍の「駆逐艦」=「日の丸デストロイヤー」の”スゴすぎる実力”を全公開…!

9月8日から再放送が始まったNHKのスペシャルドラマ「坂の上の雲」が話題となっている。

同作は国民的作家の司馬遼太郎が10年かけて日本近代史の転換点となった「日露戦争とその時代」を描きつくした同名の原作をもとに映像化されたもので、明治の青春群像ドラマの傑作だ。

ロシアのバルチック艦隊を撃破する作戦を立てた作戦参謀・秋山真之らが主人公だが、日露戦争での戦局を決めた日本海海戦では“脇役”である小型・高速の駆逐艦の殊勲が見逃せない。そうした中で、老舗軍事雑誌「丸」の版元・潮書房光人新社から刊行された『日本駆逐艦全史1896~1945』(「丸」編集部)がいま、明治から太平洋戦争終結までに日本が保有した全296隻の駆逐艦の特徴を網羅した「日の丸デストロイヤー完全データブック」として注目され、好評を博している。今回は、その中から日露戦争で大活躍した駆逐艦の“知る人ぞ知る現実”について、一部抜粋・再構成でお届けしよう。

明治の日本海軍は英国海軍に範をとっており、明治29年から英国の駆逐艦16隻を発注。「雷」型、「東雲」型、「暁」型、「白雲」型であり、艦名一文字がヤーロー社、二文字がソーニクロフト社製。英国を源流とする16隻は日露戦争で活躍した。

このうち、「雷」型駆逐艦は6隻で、明治33年に北清事変で座礁沈没した1隻以外は日露戦争で活躍し、旅順攻略作戦、黄海海戦、日本海海戦に参加した。

その中でも有名なのが「漣(さざなみ)」だ。

ロシア駆逐艦の「ベドウイ」を拿捕し、そこに乗っていたバルチック艦隊のロジェストウェンスキー司令長官を捕獲した大手柄を挙げたのだ。

「漣」はその後、第一次世界大戦の青島攻略作戦に標的船「漣丸」として参加した。大正14年までに「雷」型駆逐艦は全船が廃船となった。

「東雲」型駆逐艦6隻のうち、「陽炎」は「漣」と協力してロジェストウェンスキー司令長官の捕獲に貢献した。

日露戦争後、第一次世界大戦の青島攻略作戦に参加。雑役船に類別され、曳船兼交通船で活躍して廃船となった。

日露戦争に参加した「薄雲」はその後、雑役船となり、運貨船に指定され、大正14年に伊豆大島で実験艦として撃沈処分された。

6隻のうち唯一、事故で喪失したのは「東雲」。大正2年7月に台湾沖を航行中に暴風のため座礁し、その後船体が切断され沈没した。