8月5日の株価大暴落「全値戻し」は半年後? 近年のケースを振り返り今後の展開を占う

AI要約

8月5日の大暴落後、株価の戻りが意外と早く「半値戻し」を達成。

過去の株価暴落を分類し、現在の暴落は「ブラックマンデー型」と推定。

金利差縮小による円高圧力や日本企業の好業績により、今後の展開は続きが期待される。

8月5日の株価大暴落「全値戻し」は半年後? 近年のケースを振り返り今後の展開を占う

【ベテラン証券マンが教える株のカラクリ】#132

 8月5日の大暴落(日経平均は過去最大4451円の下落、7月高値からは25%の下落)の後、株価の戻りは意外と早く、8営業日後の8月16日に「半値戻し」を達成した。相場の格言で、「半値戻しは全値戻し」(下落幅の半分まで値を戻した相場は、もとの水準まで戻る勢いがある)と言われるが、全値戻しは早いのだろうか。

 近年の株価の暴落を振り返ってみると、以下のように分類される。

 ●ブラックマンデー型-過熱相場の修正 ①(急落年月)1987年10月②(最大下落率、急落前の年初来高値からの1年間)21%③(全値戻しまでの期間)5カ月

 ●ITバブル崩壊型-急落後に景気後退入り ①2000年4月②43%③15年2カ月

 ●リーマン・ショック型-金融システム不安に発展 ①08年10月②51%③5年4カ月

 ●コロナショック型-コロナパンデミックによる経済活動の停滞 ①20年3月②31%③9カ月半

 さて、今回の暴落はどのタイプかといえば、株価急騰の修正である「ブラックマンデー型」であろう。日経平均は7月11日の最高値まで前年末比で26%上昇、過熱していた。ブラックマンデー時はわずか2日で半値戻しを達成し、その状況も今回の大暴落と似ているが、今後の日本株の展開はどうなりそうか。

 日米の金融政策の違いから生じる金利差縮小による円高圧力は今後も続き、輸出主導株には逆風である。一方、日本株には①好調な企業業績②企業改革の進展などの好材料がある。しばらくは両者の綱引きが続き、2番底.3番底をつけるかもしれないが、今回の急落は過熱相場の修正であり、日本企業のファンダメンタルは何ら変わりがない。しかも牽引役のNY株市場も絶好調である。過去の例にならうなら、「全値戻し」は半年程度で実現するとみるが、ブラックマンデー時の5カ月を上回ることだって十分にあって不思議はない。(丸)