「会社もカネも騙し取られた」1億2000万円の詐欺被害に遭った51歳男性。契約書の改ざんも発覚

AI要約

補助金詐欺に巻き込まれた会社経営者の取材を通じて、詐欺の手口と被害状況が明らかになる。

食肉卸会社を経営する富山さんが補助金をかけられ、子会社を売らされる過程で被害に遭う。

被害者はAとBに騙され、会社の資産価値や契約書を改ざんされ、現在逮捕待ちの状況にある。

「会社もカネも騙し取られた」1億2000万円の詐欺被害に遭った51歳男性。契約書の改ざんも発覚

有名人や投資の専門家になりすまして情報商材を売りつけるSNS型投資詐欺が社会問題化している。だが、詐欺の手口は時々刻々と進化している。被害者たちがその恐怖の体験を明かす。

今回は補助金詐欺に巻き込まれ、現在も未解決の会社経営者を取材する。

補助金詐欺も各地で頻発している。茨城で食肉卸会社を経営する富山忠広さん(仮名・51歳)が巻き込まれたのも、補助金が絡む詐欺だった。

「子会社の食肉加工会社の再建のために事業再構築補助金を3000万円もらったのですが、子会社を売ってほしい言ってきたAと某銀行系M&Aアドバイザーを名乗るBに会社もカネも騙し取られた」

子会社はつなぎ融資として地銀からも8000万円借り入れていた。そのため、加工用の設備は最新に。富山さんは「会社の資産価値は1億円以上あった」と話す。

「ただ、私は自分の会社の加工委託先として仕事を受けてくれるなら社長は誰でもいいと考え、4000万円で子会社を売却。M&A手数料として、Bには2000万円払いました。しかし、Aは自分のお金でなく、子会社の事業再構築補助金から売却代金の半額2000万円だけを私に払い、残りの補助金を懐に入れた。さらに、まともに会社を経営するつもりがなかったのか、地銀からの借り入れの保証人を私のままにして逃げた」

AとBは結託して、さらに鶴田さんを追い込もうとした。

「彼らはM&Aの契約書をずっと私に渡そうとしなかったんです。それが、しばらくしてから突如、契約書をタテに7000万円を要求してきた。『子会社の利益7000万円を保証する』という文言を勝手に盛り込み、契約書を改ざんしていたのです。契約時には1枚1枚バラバラの契約書類を見せて最後の1枚に私にサインさせ、それ以外のページを差し替えたようです」

すでに警察に被害を届け出ており、「Aらの逮捕は時間の問題」と話す。だが、Aらは黙って子会社を“転売”。第三者の登場で子会社を取り戻すには時間を要するという……。