債務負担の軽減急ぐB.ライリー、銀行団が財務報告書の提出期限延期

AI要約

B.ライリー・ファイナンシャルの債権者は、財務報告書の提出期限を延長し、債務の軽減策を模索中。

銀行団との交渉が続き、B.ライリーが持つフランチャイズ・グループの債務協議とも連動。

投資家は債務再編協議の進捗を注視、株式希薄化の可能性も。

債務負担の軽減急ぐB.ライリー、銀行団が財務報告書の提出期限延期

(ブルームバーグ): 多角的な金融サービスを提供するB.ライリー・ファイナンシャルの債権者は、期限内に提出できなかった財務報告書の策定に向けて同社に一段の猶予を与えた。

B.ライリーが抱える推定21億6000万ドル(約3100億円)相当の債務は大半が4年以内に返済期限を迎える。金利上昇に伴い利払い負担が増えており、同社は債務負担を軽減する方策を探っている。

内情を知る複数の関係者によると、銀行団はB.ライリーに対し、直近四半期の終了後45日以内に財務報告書を提出するよう求める要件を保留し、実質的に債務不履行とみなされる事態を回避した。

今回与えられた猶予は、B.ライリーに対するローン契約の修正を議論するのに充てられる。合意に達するかどうかを判断するのは時期尚早だが、9月半ばごろには新しい条件が決まる可能性があると、部外秘の情報だとして匿名を条件に関係者の1人が明らかにした。

B.ライリーの担当者はコメントを控えた。同社が抱える負債には、野村ホールディングス、バンク・オブ・カリフォルニア、ウェルズ・ファーゴなどが手がけたローンや信用枠が含まれる。同3社はいずれもコメントを差し控えた。

銀行団との交渉は、B.ライリーが持ち分を抱える米フランチャイズ小売り事業会社フランチャイズ・グループ(FRG)の債務協議とも重なる。FRGが与信契約の一部条項に違反したため、銀行側はFRGに短期間の猶予を与えたと、ブルームバーグ・ニュースはこれまでに報じていた。

約15億ドル規模に上るFRGの債務再編計画に関する協議も、9月中旬をめどに合意を目指している。B.ライリーはFRG株式を担保に野村から融資パッケージを確保しており、B.ライリーの投資家は交渉の行方を注視するだろう。株式は債務再編合意によって、かなり希薄化する可能性もある。

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