業界初〝免疫機能を表示〟納豆をキリンとタカノフーズが共同開発 新型コロナ再拡大で注目

AI要約

キリンホールディングスとタカノフーズは19日、タカノの「すごい納豆シリーズ」で免疫機能配合の納豆たれを添付した新商品を共同開発し、9月1日から発売すると発表。

新商品には免疫機能を訴求するために特許取得菌やプラズマ乳酸菌を配合し、差別化を図る考え。

また、キリンはプラズマ乳酸菌を使った新商品展開で、売上高の拡大計画を立てている。

業界初〝免疫機能を表示〟納豆をキリンとタカノフーズが共同開発 新型コロナ再拡大で注目

キリンホールディングスとタカノフーズは19日、タカノの「すごい納豆シリーズ」で免疫機能配合の納豆たれを添付した「すごい納豆ゴールド プラズマ乳酸菌たれ付」を共同開発し、9月1日から発売すると発表した。納豆業界で免疫ケアをうたった機能性表示食品は初めて。新型コロナウイルスの感染再拡大で改めて注目される免疫機能を訴求することで、差別化の難しい納豆市場でシェア拡大を図る考えだ。

■一般商品より3~4割高く

新商品の納豆には、腸内環境の改善や抗体生産量を高める効果のあるタカノの特許取得菌「S-903納豆菌」を使用。かつお節・昆布・煮干の3種のエキスのだしからうま味を抽出した納豆たれに、免疫細胞全体を活性化させるキリンの独自素材「プラズマ乳酸菌」を配合した。「プラズマ乳酸菌と納豆菌が多数存在する中で機能性関与成分量の証明が難しく、開発には約2年かかった」(タカノフーズの寺岡義政執行役員)という。

同社の納豆商品の約8割が輸入大豆だが、新商品には中粒以上の大きさの国産大豆を使用。商品パッケージはゴールドを基調にしたデザインに仕上げるなど特別感を演出した。メーカー希望小売価格は2パック(1パック=40グラム)で280円。2パック分で1日に必要なプラズマ乳酸菌の摂取目安量となる。

ただ、大手スーパーなどでは納豆は目玉商品として安く売られる傾向があり、実際の店頭では140円程度で販売されるとみている。それでも、同社の一般的な納豆商品の価格(3パックで約100円)に比べて3~4割高くなる見通しだ。寺岡氏は「習慣的に納豆を食べる人は健康意識が高く、免疫ケアという新たな機能が加わった新商品は強い差別化になる」と強調する。

■野菜ジュースも新投入

キリンはプラズマ乳酸菌を外販しており、9月までに11社の17商品でプラズマ乳酸菌を使った飲食品を展開している。同社の調査では、習慣的に免疫ケアに取り組む食品カテゴリとして、納豆などの発酵食品が上位に来ており、今回の新商品開発に至ったという。9月3日にはプラズマ乳酸菌を配合した野菜ジュースの新商品2品も投入するなど商品カテゴリをさらに広げる方針で、現在約200億円超のプラズマ乳酸菌を使った商品群の売上高を、令和9年に500億円へ拡大する計画だ。