元「パープル」「ル・フィガロ」クリエイティブ・ディレクター、クリストフ・ブルンケルが実践するクリエイティブのテクニック

AI要約

クリストフ・ブルンケルは個展「フレンチ:メ・ウィ(French: Mai Oui)」を開催し、最新アートブック「ラ・ギャー・ドゥ・フ(LA GUERRE DU FEU)」を発表した。

フランスのカルト的ファッション・カルチャー誌「パープル」と「ル・フィガロ」で15年ずつクリエイティブディレクターを務め、ジャンルレスな作品群を展開している。

身体をキャンバスの延長として捉えたグラフィティーとインスタレーションのコラボレーション写真集を発表した。

クリストフは即興表現を重視し、長年の経験やイメージの蓄積を活かして創作活動を行っている。

デザイン、アート、ファッションなどのジャンルをジャーナリズムとして発信するために、ライブ感やスピード感が重要である。

元「パープル」「ル・フィガロ」クリエイティブ・ディレクター、クリストフ・ブルンケルが実践するクリエイティブのテクニック

パリを拠点とする現代アーティストのクリストフ・ブルンケル(Christophe Brunnquell)が、KOMIYAMA TOKYO Gにての日本初となる個展「フレンチ:メ・ウィ(French: Mai Oui)」を開催し、最新アートブック「ラ・ギャー・ドゥ・フ(LA GUERRE DU FEU)」を発表した。

クリストフはフランスのカルト的ファッション・カルチャー誌「パープル(PURPLE)」と「ル・フィガロ(LE FIGARO)」の全ラグジュアリー部門という、一見アンビバレントな立ち位置でクリエイティブディレクターを15年ずつ務めた人物である。さらにクリエイティブディレクションと並行し、絶えず自らの実験的な創作活動を継続しており、コラージュ、絵画、彫刻、家具デザインなど、ジャンルレスに展開される作品群は膨大な数に上る。

今回はその一部、2008年から23年の15年間にわたって、身体をキャンバスの延長として捉え肌にペイントしたグラフィティーとインスタレーションを組み合わせた作品をフランス人フォトグラファーのエステル・ハナニア(Estelle Hanania)が撮り下ろしたコラボレーション写真集をKOMIYAMA TOKYOより出版した。

個展の開催に際して来日したクリストフに超現実的な表現の背景や最新プロジェクト、若い世代へのメッセージなどを聞いた。

ディレクション経験とイメージの蓄積によってスピードを増し、一層研ぎ澄まされる即興表現

――前衛的ファッション・カルチャー誌「パープル」と伝統ある全国紙「ル・フィガロ」、いずれもフランスを代表するメディアで各15年ずつクリエイティブディレクションに従事されていました。環境や読者層が異なる媒体での経験を踏まえ、アートやファッションをジャーナリズムとして発信するにあたり、重視されていたことを聞かせてください。

クリストフ・ブルンケル(以下、ブルンケル):創作活動、特に雑誌や写真集の制作にはライブ感が重要です。通常、本やアートブックの制作にはもっと時間をかけますが、私の場合は雑誌のようにスピーディに作るんです。そのために必要なイメージの蓄積として、長年ポートフォリオを作り続けてきました。