コンビニで作りたてピザを5分で提供、韓国GopizzaにタイCPグループが投資

AI要約

韓国のピザチェーン、GOPIZZA(ゴーピッツァ)がタイの財閥CPグループから1000万ドルを調達し、拡大計画を進めている。

2019年フォーブスの『30 UNDER 30 ASIA』に選出されたゴーピッツァ創業者のジェイ・リムが主導となり、タイ市場に進出している。

ゴーピッツァの成功の秘訣は、独自のパーベイク生地を使用した効率的なピザ提供方法にある。

コンビニで作りたてピザを5分で提供、韓国GopizzaにタイCPグループが投資

韓国のピザチェーン、GOPIZZA(ゴーピッツァ)は6月にタイ最大の財閥であるCPグループから1000万ドル(約15億7000万円)を調達した。

この投資は、タイでセブンイレブンを展開するCPグループのコンビニエンスストア部門、CPオールにとって初の海外投資となった。小売ネットワークの拡大を目指すCPオールは、年内に最大130億バーツ(約558億円)を投じて新店舗の出店や新規プロジェクトへの投資を行う計画という。

2019年に当時29歳でフォーブスの『30 UNDER 30 ASIA』に選出されたゴーピッツァ創業者のジェイ・リムは、今回の調達での同社の評価額を明かしていない。

CPオールは、韓国のコンビニ大手GS25でゴーピッツァが好調な売上を記録していることを評価して、同社に出資したという。「私たちは、CPにタイのセブンイレブンに進出したいと持ちかけたのです」と、リムはインタビューで述べている。

GS25は、2005年にLGグループから分離したGSグループ傘下のGSリテールが運営するコンビニエンスストアだ。GSグループの投資部門であるGSベンチャーズもゴーピッツァに投資を行っている。ゴーピッツァの他の投資家には、食品とエンタメ関連の複合企業、CJグループの投資部門であるCJインベストメントや、ミラエ・アセット・セキュリティーズ、NCore Venturesなどが含まれている。

リムは2017年にソウルでにゴーピッツァを設立し、2019年に初の海外市場であるインドに進出した。同社は2023年にタイに進出し、CPが運営するスーパーマーケットであるロータスの店舗内に出店した。

ゴーピッツァは現在、インドネシアやマレーシア、日本にも店舗を構えており、総店舗数は約450店舗で、年内に1000店舗まで増やす計画だとリムは述べている。

「インドと東南アジアを主要な市場とみなす当社にとって、東南アジアの大手財閥であるCPとの提携は理にかなっている。さらなる成長を考慮した場合に、競争が激しく人口が減少している韓国に明るい未来はない」とリムは説明した。

ゴーピッツァは、まだ黒字化を達成していないが、今回のCPからの調達で、累計調達額は600億ウォン(約70億円)に達した。リムは、海外での売上の増加とマーケティング費用の削減により、同社が年内に損益分岐点に到達できると予測している。

■独自のピザ生地を開発

リムによると、ゴーピッツァの成功の秘訣は、部分的に焼き上げたパーベイクと呼ばれるピザ生地にあるという。以前は別のピザチェーン店で働いていた彼は、「ピザ業界で最も難しいのは生地作りです。生地を混ぜ、発酵させ、手でこねるプロセスには、多くのスペースと時間、技術、労働力が必要です」と語る。

しかし、ゴーピッツァのパーベイク生地は本部であらかじめ作られ、冷凍されて各店舗に配送される。このやり方であれば、コンビニのような狭いスペースでも5分でピザを提供できるという。

もちろん、他のピザチェーンも独自のパーベイク生地を開発しているが、多くの場合、それらの生地を使ったピザの味は今ひとつだという。リムは、ゴーピッツァが、出来立ての生地のように美味しく仕上がる独自のパーベイク生地を開発したと説明した。

「ゴーピッツァは、多額の資金と時間を費やして、生地の開発を続けている。私はとても頑固に課題に立ち向かうタイプの経営者なのです」とリムは語った。