ケラノバ株急伸、マースによる買収観測で－食品メーカー再編加速も
米国株式市場でケラノバの株価が急伸し、マースによる買収観測が浮上。
買収交渉は進行中であり、巨額の取引が成立する可能性がある。
マースとケラノバの合併が食品メーカー業界に新たなサイクルをもたらす展望がある。
（ブルームバーグ）： ５日の米国株式市場で食品メーカーのケラノバの株価が急伸。市場全体が大きく下げる中で逆行高となっている。 チョコレートメーカーのマースによる買収観測が買い材料。実現すれば今年最大級の取引となる可能性がある。
情報の部外秘を理由に匿名を条件に語った関係者によると、買収交渉は進行中であり、最終決定は下されていない。
ケラノバ株価は一時約20％急伸。ニューヨーク時間午前の取引で、時価総額は247億ドル（３兆5300億円）近くに達している。米紙ウォールストリート・ジャーナル（ＷＳＪ）はこれに先立ち、ケラノバの買収額は300億ドル程度になると報じていた。
ケラノバは昨年、旧ケロッグからスピンオフ（分離独立）された。チョコレート菓子が中心のマースにとっては「プリングルズ」「ポップタルト」などのブランドを展開するケラノバを買収することで、提供する商品の品ぞろえを多様化するチャンスだ。また、ケラノバ買収はマースの国際市場での規模拡大にも寄与しそうだ。
ＴＤカウエンのアナリスト、ロバート・モスコウ氏はリポートで「両社が合併すれば、1999－2001年にかけて起こったような食品メーカー業界再編の新たなサイクル開始を告げる号砲となるかもしれない」と指摘。「成長が鈍化し、バランスシートが相対的に改善している中で割安感が出ている今のような時期には、食品メーカー大手がコスト面でのシナジー効果を求めて、大規模なＭ＆Ａ（合併・買収）を一段と綿密に検討する傾向がある」と述べた。
ケラノバはコメントを控えた。マースは現時点でコメントの要請に応じていない。
原題：Kellanova Shares Surge as Mars Weighs Buyout of Snackmaker (3)（抜粋）
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