セキュリティトークンとは何か? 最新カオスマップや市場規模、事例を徹底解説

AI要約

セキュリティトークンやデジタル証券に関する最新動向について説明されており、セキュリティトークンの定義や分類、活動対象などが示されている。

セキュリティトークンの適用法規やグローバルな異なる考え方についても触れられており、複雑な概念をわかりやすく解説している。

日本セキュリティトークン協会の活動対象として、Corporate ST、Asset-backed ST、Tokenized Assetの3つの分類が紹介されている。

セキュリティトークンとは何か? 最新カオスマップや市場規模、事例を徹底解説

 セキュリティトークン、もしくはデジタル証券に関する動向が国内でも広く報じられるようになってきた。既存の株式や社債などの証券をデジタル化するのみではなく、ブロックチェーン技術を活用した新たな金融商品が生まれつつある。本稿ではセキュリティトークンビジネスの現状を確認するとともに、その市場やプレイヤー、事例、市場で求められるスキル、展望について考察する。

 筆者が代表を務める日本セキュリティトークン協会では「セキュリティトークン(Security Token:ST)」を次のように定義している。

セキュリティトークンとは、 ブロックチェーンネットワーク上で発行されるデジタルトークンのうち、有価証券その他の資産や価値の裏付けを有するものを指す。ブロックチェーンの特性を生かし、裏付資産に対する権利をボーダーレスかつセキュアに移転可能とする。日本法上では、 典型的には金融商品取引法上「電子記録移転有価証券表示権利等」と定義されるものを指すが、当協会では、同法の適用のない資産などに対する権利をトークン化したものおよび当該権利を表示するトークンをも広くセキュリティトークンの定義に含む

 セキュリティトークンの語義は、証券を意味する「Securities」と、ブロックチェーン技術における「Token」を組み合わせた名称が示す通り、証券「的な」性質を持つトークンのことである。

 国内では、金融商品取引法(以下、金商法)に服するデジタル証券と同義的に呼称されることも多いが、上記の通り金商法下に服さないものも含むことがある。最近のトレンドに沿うならば、現実世界に存在する資産をブロックチェーンネットワーク上にトークンとして表象する「RWA(Real World Asset)」と近い概念と言える。

 この点において日本セキュリティトークン協会では、活動対象としてのセキュリティトークンを、裏付けとされている資産の種類に応じて、独自に3つに分類している。

Corporate ST:株式・社債・環境債など、企業活動に深く関係する資産を裏付けとする。

Asset-backed ST:不動産・航空機・金銭債権などの資産を裏付けとする。

Tokenized Asset:資産性会員権・高級酒・美術芸術品など、資産性のある物品を裏付けとする。

 これは、トークン化技術を用いて新しいビジネスを創り出す上では、適用される法規制を軸にするよりも、どのような資産や権利を裏付けにし、トークンで表現するのかを出発点とすべきという認識によるものだ。

 ただし、セキュリティトークンの定義や分類にはさまざまな考え方があり、特に、グローバルではそれぞれの国地域によって異なることが多い点には注意が必要だ。