グーグルマップの限界? カーナビとして使いにくい「位置精度」「画面表示」の弱点、それでも未来に期待できるのか
カーナビアプリ利用の実態として、若年層ほど利用率が高いことが報告されている。
グーグルマップが最も利用されており、最新の地図データの重要性が指摘されている。
グーグルマップの使いづらさとして、案内画面の見やすさが向上の余地があることが指摘されている。
車での移動に欠かせないカーナビだが、スマートフォンの地図アプリをその代わりに使っている人も多いだろう。
MMD研究所が2022年に実施した「クルマで利用するマップアプリ(カーナビアプリ)に関する調査」によれば、カーナビアプリの利用経験がある人は44.9%、若年層ほど利用率が高いようだ。カーナビ非搭載車を運転する人の
「39.2%」
が利用しており、カーナビ搭載車を運転する人でも32.5%の人がカーナビアプリを利用しているのだ。
また同調査によると、無料アプリ利用者の64.5%が「Google Map(グーグルマップ)」を利用しており、カーナビアプリの利用者の68.2%が
「常に地図データが最新であること」
を重要視していることが報告されている。たしかに、車載のカーナビは地図データを更新するのに手間や費用がかかるため、最新の地図データが無料で利用できるグーグルマップが人気を博しているのもうなずける。
しかし、弱点がないわけではない。そこで本記事では、あえてグーグルマップのここが使いづらいというポイントを取り上げていく。
まずひとつめの使いづらいポイントは
「案内画面の見やすさ」
ある。ここでいう「見やすさ」とは単に画面の大きさによる見やすさのことではない。高速道路の分岐や一般道路での交差点などにおける「案内画面の見やすさ」つまり
「案内表示のわかりやすさ」
という意味である。
車載カーナビは分岐や交差点において、拡大図を表示してわかりやすくしている。最近の機種は3Dイラストなどを駆使して情報をリアルに表示してくれるのだ。例えばパナソニックの「楽ナビ」は、迷いやすい交差点も瞬時に把握できるよう、俯瞰(ふかん)で描かれたイラストと共にレーン情報やルート情報が表示されるのである。
この点、グーグルマップは基本的に矢印によって案内するのみで非常にシンプルな設計となっている。マップの表示を3Dにすることは可能だが、交差点や分岐で車載カーナビのように
「自動的に拡大図を表示してわかりやすい情報を表示する」
というホスピタリティの高さはない。
実際に、先述したMMD研究所の調査でも「画面の見やすさ」がカーナビアプリに求められている。この点はぜひグーグルマップにバージョンアップをお願いしたいところだ。