世界成長率見通し据え置きの3・2%…IMF、インフレ「ソフトランディング」

AI要約

IMFは2024年の世界全体の経済成長率を3.2%と予測し、ソフトランディングに向かうとの見方を示した。

日本の成長率が0.7%に下方修正され、米国は2.6%に引き下げられた。中国とユーロ圏は成長率が上方修正された。

25年の世界成長率は3.3%と予想され、前回の予測よりも上方修正された。

 【ワシントン=田中宏幸】国際通貨基金(IMF)は16日発表した世界経済見通しで、2024年の世界全体の経済成長率を3・2%とし、前回4月時点の予測を据え置いた。世界のインフレ(物価上昇)率は鈍化傾向にあり、景気後退を招かずにインフレが落ち着く「ソフトランディング(軟着陸)」に向かうとの見方を示した。

 IMFは3か月ごとに見通しを改定している。

 国・地域別では、日本の成長率を0・7%とし、4月時点から0・2ポイント下方修正した。自動車大手の認証不正に伴う操業停止で、一時的な供給の混乱が発生したことが原因としている。

 米国は2・6%とし、0・1ポイント引き下げた。米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げの影響で労働市場の冷え込みが進み、25年には1・9%まで鈍化すると見込んだ。

 中国の成長率は一時的な輸出の急増や民間消費の回復を受けて0・4ポイント上方修正し、5・0%とした。ユーロ圏は輸出の増加に伴って0・1ポイント引き上げ、0・9%と予想した。

 25年の世界成長率は3・3%とし、4月時点から0・1ポイント引き上げた。