ディズニーの世界を船上で体感 オリエンタルランドがクルーズ船事業に参入、令和10年度

AI要約

オリエンタルランドがディズニーの世界を体感できるクルーズ船事業に進出することを発表。船上での体験を提供する総投資額約3300億円のプロジェクト。

日本でも同型船を建造して運航するディズニークルーズとのライセンス契約締結。乗客定員約4千人の日本船籍のクルーズ船を運航予定。

料金は1万円から3万円程度で、ファミリーや若者をターゲットに。船内施設はミュージカルやダイニングなどを計画。就航後の目標は年間40万人の乗客数と1000億円の売上高。

ディズニーの世界を船上で体感 オリエンタルランドがクルーズ船事業に参入、令和10年度

東京ディズニーリゾート(TDR、千葉県浦安市)を運営するオリエンタルランドは9日、船上でディズニーの世界を体感できるクルーズ船事業に進出すると発表した。令和10年度に就航予定で総投資額約3300億円。首都圏の港を発着する2~4泊程度の短期航路が中心となる。敷地面積に限りがあり大幅な拡張が難しいテーマパークやホテル事業に続く新たな収益の柱として育てるのが狙い。

この日、オリエンタルランドは米ディズニー・エンタープライゼズ・インクとクルーズ事業に関するライセンス契約を締結。ディズニー社は1998(平成10)年からディズニークルーズを展開しており、日本でも同型船を建造して運航する。日本船籍のクルーズ船としては最大級になり、乗客定員約4千人、総客室数約1250室に上る。

料金は標準的な客室で10万~30万円を想定しており、テーマパーク事業と同様にファミリー層や若年層などを主要ターゲットにする。料金は一部のアトラクションや飲食代を除き、食事やプールの利用、キャラクターとの触れ合いなどを含む「オールインクルーシブ」となる。オリエンタルランドは船内施設の詳細は検討中だとしつつ、ミュージカルなどの劇場や、ショーを見ながら楽しめるダイニングなどを計画しているとみられる。

同社によると、就航から数年後の年間乗客数は40万人、年間売上高は1千億円を見込み、売上高に占める営業利益の割合を示す営業利益率はパーク事業と同様の2割程度を確保したいとしている。

クルーズ船事業は世界的に需要が拡大している。同社の吉田謙次社長は記者会見で、「ディズニー社との強固な信頼関係やTDRの運営ノウハウを生かせる」と参入のメリットを強調した。(福田涼太郎)