「空飛ぶクルマ」実用化へJR九州と「スカイドライブ」が連携協定…観光や日常の移動の利用目指す

AI要約

JR九州と新興企業のスカイドライブ(愛知県豊田市)が空飛ぶクルマを実用化するための連携協定を結び、2026年以降のビジネスモデル確立を目指す。

JR九州とスカイドライブが初めて手を組み、都市部の土地や商業施設を利用して離着陸地点を検討する。

全長11.5メートルの電動機体で、最高時速100キロで飛行可能で観光利用のほか新輸送システムも視野に入れる予定。

 JR九州と新興企業のスカイドライブ(愛知県豊田市)は4日、九州で「空飛ぶクルマ」を実用化するための連携協定を結んだ。JR九州の鉄道資産やまちづくりのノウハウを生かし、観光での利用や日常生活での移動など従来にない交通システムとして、2026年以降のビジネスモデル確立を目指す。

 JR九州の古宮洋二社長とスカイドライブの福沢知浩・最高経営責任者(CEO)が同日、東京都内で協定書に署名した。スカイドライブがJRグループと手を組むのは初めて。具体的な発着点や運航エリア、事業費などは今後両社で詰めるが、例えば離着陸地点では、駅周辺の土地や商業施設の屋上などを検討するとしている。

 運航に使う予定の機体は全長11・5メートル、高さ3メートルの電動で、定員3人(操縦士を含む)。スズキの協力を得てスカイドライブグループがつくる。ドローンのように垂直に離陸して最高時速100キロで飛べ、1回の充電で15~40キロの距離を飛行できる計画という。両社は観光利用以外にも、空路を生かした新しい輸送システムの構築も視野に入れる。

 記者会見した福沢氏は「九州が持つ観光のポテンシャル(潜在力)の大きさを、快適な空の旅に生かしたい」と述べ、古宮氏も「空から見る九州の景色は、地理的な魅力を感じられる機会だ。皆が乗れるようにしたい」と意欲を見せた。

 スカイドライブは25年大阪・関西万博で「空飛ぶクルマ」の運航事業者に選ばれており、万博会場では客を乗せないデモ飛行を行う予定だ。