イスラエル、ハマスのガザ停戦新提案を検討-ヒズボラとの緊張は激化

AI要約

イスラエルはハマスの新たな停戦案を検討し、ヒズボラからの攻撃に直面する。停戦が近づく可能性もある。

ハマスの提案にイスラエル首相が検討し、バイデン大統領と協議予定。一方、ヒズボラはイスラエルにミサイル攻撃を続ける。

停戦の合意に向けた動きがありながら、イスラエルとハマスは依然として要求に対する意見の相違が残る状況。

(ブルームバーグ): イスラエルは、イスラム組織ハマスの新たな停戦案を検討している。一方、レバノンの親イラン民兵組織ヒズボラがイスラエルに対し強烈なミサイル攻撃を仕掛け、レバノン国境地帯での戦闘がエスカレートしている。

イスラエル首相府はハマスから新たな提案を受け取ったことを確認。同国のテレビ局チャンネル13の報道によると、この提案を巡りネタニヤフ首相は4日に安全保障担当閣僚や交渉チームと会議を開く。9カ月続くイスラエルとハマスの戦争が停戦に至るかもしれないという、久しぶりに表れた明るい兆しだ。

ハマスの停戦案についてネタニヤフ首相は4日のうちにバイデン米大統領とも話す見込みだと、イスラエル公共放送KANが伝えた。

イスラエルに対しては、ヒズボラが空からの攻撃を強化。レバノン南部でイスラエル軍がヒズボラの上級司令官を殺害したことに反応し、多数のイスラエル軍拠点に向けてミサイル200発以上と「ドローンの大群」を発射したという。情勢の緊迫化で、米国とイランを巻き込む全面的な地域紛争に発展するとの懸念が高まっている。

非公表の協議内容だとして匿名を要請したハマス当局者によると、新たな提案はイスラエル軍の撤退、避難民の帰還などハマスの以前からの要求に沿った内容だという。ただ、新提案は当初段階でのイスラエル軍の完全撤退は求めていないと、チャンネル13が匿名のイスラエル情報筋の話として報じた。

詳細は不明だが、これらの報道はハマスとイスラエルが少なくとも一時的に戦闘を停止させる合意に近づいている可能性を示唆する。バイデン米大統領は5月末に3段階からなる停戦案を打ち出したが、イスラエル、ハマスともこれまでのところ完全に受け入れる意思は示していない。ハマスが当初段階からイスラエル軍の恒久的な撤退を主張していることが障害の一部となっていた。

原題:Israel Weighs Gaza Peace Offer as Hezbollah Fires Rocket Barrage(抜粋)