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災害時の移動手段で、「自転車」が注目される実にもっともな理由
自然災害が発生すると、国内外から多くの支援が寄せられ、震災発生時の寄付金や支援物資の重要性が再確認される。
東日本大震災では、寄付総額が過去最高を記録し、国内外から多額の支援が寄せられた。
支援物資の中には、黄色い自転車など、被災地でのニーズに合わせた特注品も存在する。
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自然災害が発生すると、国内だけでなく国外からもたくさんの寄付金や支援物資が寄せられ、国や人とのつながりの大切さをあらためて感じる。
特に東日本大震災では、日本ファンドレイジング協会によると、2011(平成23)年の個人寄付総額は
「1兆186億円」
で、このうち震災関連の寄付は、前年の個人寄付総額に匹敵する5000億円と推計されるとのことだ。日本人の約7割近くが寄付をした2011年は、「寄付元年」と呼ばれるようになった。
また、外務省の資料によると海外の93の国や地域から175億円以上もの寄付金が届けられ、日本国際センターのリポートによると米国民の寄付総額が震災後3年間で7億3000万ドルに達したそうだ。もちろん、2024年1月1日に発生した能登半島地震も多額の義援金が寄せられており、石川県のウェブサイトによると、6月17日時点で
「約323億円」
に達している。
災害後に生活するために、寄付だけでなく支援物資も届けられた。食料品や飲料水、衣類・下着、仮設トイレ・携帯トイレといった生活用品、毛布や段ボールベッド、ストーブなどの避難用品、あるいは電化製品と多岐におよんでいる。
東日本大震災では、話題となった支援物資がある。それは「黄色い自転車」だ。
台湾に本社がある世界的な自転車メーカーのジャイアントは、東日本大震災発生時に約1000台の黄色い自転車を岩手、宮城、福島の被災地に贈った。ジャイアント日本本社のメンバーが、
「自転車メーカーとして何かできないか」
「今はお金より使える物資にこそ価値があるのではないか」
と考えた結果、黄色い自転車に行き着いたという。
子どもから大人まで使用できるように小さめのマウンテンバイクとし、地震後は道路状況が悪いためパンクしにくいタイヤへの変更、徒歩で1時間かかる水くみなどへの使用を想定して荷台やライトの取り付け、さらには、信号も街灯もないので目立つように黄色に塗装したそうだ。黄色い自転車は特注品だったが、製造のため工場の生産ラインを止め、約1か月半というスピードで届けられた。
能登半島地震では、自転車ブランドARAYAを展開する新家工業(大阪市)が、輪島市ふれあい健康センターにマウンテンバイクを寄贈している。もちろん、避難所で生活している人々の移動に役立ててもらうためだ。
道路事情が悪化している震災後は、悪路に強く、場合によっては持ち運べるマウンテンバイクが使いやすい乗り物といえよう。