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電気いじりの必需品!! ワイヤーストリッパーの種類と使いこなし術
ワイヤーストリッパーは電装品の修理や電気系アクセサリーの取付作業で重要な役割を果たす。
芯線を傷つけずに配線の被覆を剥く際に便利なツールである。
使用方法や種類によって、作業効率や精度が異なる。
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電装品の修理や電気系アクセサリーの取付作業など、いわゆる「電気いじり」で不可欠なのが配線の被覆剥きです。ビニール製の被覆をきれいにカットしながら内部の芯線は傷をつけたくない、そんな時に重宝するのが「ワイヤーストリッパー」。ここではワイヤーストリッパーの役割や種類、便利な使い方に注目します。
文/Webikeプラス 栗田晃
電気配線をつなぐにはハンダづけやギボシ端子、カプラー接続などいくつかの方法がありますが、どんな場合でも配線の被覆を剥いて新鮮を露出させる作業が必要です。
その際に最も重要なのは「芯線に傷をつけない」ことです。自動車やバイクの電気系統で使用されている配線は、細い銅線を何本もまとめた「より線」が一般的です。これは家庭用の電気配線で使用する、一本の太い銅線で構成された「単線」と違って、柔軟性が高いためフレームやエンジンルームなど狭い場所に配置する際に重宝します。
しかし細い芯線をより合わせているため、被覆を剥く際に被覆と一緒に切断してしまうリスクがあります。何十本もあるうちの1本や2本なら大して問題にならないと軽く考えがちですが、切断までには至らないものの傷ついた芯線が残ることで、芯線の強度低下や抵抗増加、発熱など様々なトラブルにつながることもあります。
配線から被覆だけを剥き取る工具は「皮剥き器」「ワイヤーストリッパー」などと呼ばれ、配線を切断するニッパーの中にも皮剥き機能が付属した製品があります。刃の根元部分が小さく丸くくり抜かれていれば、それが皮剥き器です。
ただ、一般的なニッパーの皮剥き器は一種類の配線サイズにしか対応しておらず(複数サイズに対応する製品もあります)、穴径より太い配線の被覆を剥こうとすると芯線を傷つけてしまう場合もあります。
そのような場合に重宝するのがワイヤーストリッパーです。
ワイヤーストリッパーは配線から被覆を剥くだけの単機能工具ですが、構造や作動原理にはいくつかの種類があります。
まず最初に紹介するのは、鋭い刃で被覆をカットする動作と被覆を剥く動作を一連の流れの中でできるワイヤーストリッパーです。
ギボシ端子のカシメに使用する電工ペンチのような形状で、カッター部分に加えた配線を手で引き抜く製品に対して、このストリッパーはグリップを握るだけで済むので作業が容易にできます。
また刃の部分に適用電線のサイズが明記されているので「芯線まで切ってしまった」「被覆の表面を削るだけで剥けなかった」といったミスやトラブルも防止できます。
なお、ここで紹介しているベッセル製のワイヤーストリッパーは、芯線が単線かより線かで刃の種類が異なります。画像の刃は本来は単線用で、より線にも使えないわけではありませんが、より線用の刃を使用すれば配線の太さにピッタリ適合したガイド穴径を選択できます。
次に紹介するのは、カッターのような鋭い刃を使わず被覆を剥き取るタイプのワイヤーストリッパーです。
このデザインのストリッパーは100均ショップなどでも購入でき、グリップを握ると掴み刃が被覆に圧力を加えながら引っ張って剥き取ります。この掴み刃には切断機能はなく、あくまで被覆を掴むだけというのが特長です。
先に紹介した刃物を使用するストリッパーは配線の太さに応じて適切なカッターを選択しなくてはなりませんが、こちらのタイプは工具によって設定された範囲内であれば配線の太さに関係なく使用できるため、より簡単に作業できます。
被覆を物理的に切断しないため芯線に傷をつける恐れがないのが利点である一方、配線を固定する押さえ刃と被覆を剥き取る掴み刃の圧力バランスが悪いと、配線が滑ったり被覆の切れ具合が悪くなることもあるため、配線を掴む圧力を調整できる製品もあります。