原油相場、上げを維持-地政学的緊張の高まりをトレーダー注視

AI要約

原油相場はアジア時間25日の取引で上昇基調を維持しており、イエメンからロシアに至る地政学的緊張が投資家の関心を集めている。

北海ブレント原油とウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)はそれぞれ86ドル台と82ドル近辺で推移している。

地政学的リスクが高まる中、ブレント原油の価格差やインプライドボラティリティーが注目され、トレーダーはインフレ率や金融政策の行方に注視している。

(ブルームバーグ): 原油相場はアジア時間25日の取引で上昇基調を維持している。イエメンからロシアに至る地政学的緊張の高まりによる潜在的な影響を投資家は考慮している。

北海ブレント原油は1バレル=86ドル台で取引され、ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)は82ドル近辺で推移している。

イエメンの親イラン武装組織フーシ派が最近イエメン沖で船舶への攻撃を強めている一方、英BBC放送は、ロシアに併合されたクリミアへのミサイル攻撃を巡ってロシアが米国を非難し、これに伴う「結果」について警告したと報じた。

イランやフランスで予定されている選挙など地政学的リスクがくすぶる中、ブレント原油のインプライドボラティリティー(IV、予想変動率)は上昇傾向にあるが、なお過去5年間の最低水準に近い。

原油はこのままいけば6月をプラスで終える。直近2限月の価格差であるプロンプトスプレッドが、強気のバックワーデーション(期近の価格が期先の価格よりも高い状態)の中で拡大し、供給の引き締まりを示唆している。トレーダーは今週、インフレ率やその他の経済指標を注視し、金融政策の行方を探る。

市場の他の部分は力強さを見せている。欧州のディーゼル指標であるICEガスオイルのネットロングは週次で過去最大の増加となった。ブレント原油先物・オプションのネットロングも昨年10月以来の大幅増となった。

原題:Oil Holds Gain as Traders Weigh Escalating Geopolitical Tensions(抜粋)

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