物価高時代に、なぜ競合より「ちょい高」なコメダ・星乃が伸び続けているのか

AI要約

高単価なコメダ珈琲店や星乃珈琲店が急速に拡大している。コメダは関東で1000店舗超、星乃も全国で約280店舗を展開している。

喫茶店市場が縮小する中で、フルサービス型喫茶店として成功している理由を追求。セルフ式チェーン店やファストフード店の台頭とは異なる戦略を展開している。

コメダは名古屋発祥でロードサイドに店舗を展開し、星乃は都市部に多く出店。両者は長年の経験と地域戦略を重視して店舗数を増やしている。

物価高時代に、なぜ競合より「ちょい高」なコメダ・星乃が伸び続けているのか

 コメダ珈琲店や星乃珈琲店など、高単価なカフェチェーンが勢いを増している。中京地域で伸びたコメダは近年、関東で店舗数を増やし、1000店舗超を展開。星乃も大都市圏の商業施設内や駅近辺の市街地に出店し、全国で約280店舗を展開している。

 両者は昔ながらのフルサービス型喫茶店であり、店舗数でいえばそれぞれ業界3位と6位の規模だ。喫茶店市場が縮小し続ける中、なぜ拡大できたのか。その理由を探っていく。

 席に着くと店員が注文を取り、コーヒーを運んでくれる――そんな昔ながらの喫茶店は年々減少し続けている。全日本コーヒー協会によると、喫茶店の数は1981年の15.4万店をピークとして減少に転じ、2001年は8.8万店、2021年は5.8万店である。ドトールコーヒーショップ(ドトール)やスターバックス コーヒー(スターバックス)などセルフ式チェーン店の台頭が主な理由だが、もともと食事の場としても機能していたため、ファミレスやファストフードなどの台頭も影響しているとされる。

 そんな厳しい市場環境において、フルサービス型喫茶店のコメダ・星乃の両者は店舗数を増やしてきた。1968年に開業した名古屋地盤のコメダ珈琲店は、ロードサイドで店舗を出店し続け、2003年に関東、2006年には関西に進出した。2013年に国内500店舗を達成し、コロナ禍でも拡大を続け、2024年2月末時点で1004店舗を展開する。

 一方の星乃珈琲店は比較的新しく、2007年の合併で誕生したドトール・日レスホールディングスが2011年に初出店した業態である。2014年度に100店舗を達成し、わずか3年後の2017年度に200店舗を超え、コロナ前の2020年2月期末時点で253店舗を展開していた。直近2年で拡大は落ち着いたが、2024年2月末時点で277店舗を展開している。主に関東や近畿、愛知の都市圏に出店し、都市部では施設内や駅チカの店舗が多い。冒頭の通りコメダは業界3位で星乃は6位、1位は約1900店舗のスターバックスで2位は約1000店舗のドトールである。