マクドナルドが仕掛ける5ドル戦争、節約志向の消費者囲い込みへ

AI要約

米国ファーストフード大手マクドナルドが、節約志向の消費者を取り戻すために5ドルのバリューセットを導入する。

競合他社もバリューセット展開に追随し始め、市場での競争が激化している。

マクドナルドは規模やマーケティング力で競合他社に優位性を保ちながら、バリューセットで新たな戦略を展開している。

マクドナルドが仕掛ける5ドル戦争、節約志向の消費者囲い込みへ

(ブルームバーグ): ファーストフード大手マクドナルドの米国部門社長、ジョー・アーリンガー氏は戦う準備ができている。その戦いで勝利を収めるため、同社が持つ最も強力な武器の一つを取り出した。バリューセットだ。

節約志向を強める消費者を呼び戻す戦略の一環として、マクドナルドは25日から5ドル(約790円)のセットメニュー販売を開始する。アーリンガー氏はブルームバーグ・ニュースとのインタビューで「われわれはバリュー戦争に勝つことを約束する」と語った。

ブルームバーグは先月、マクドナルドが米国内で5ドルセットの導入を計画していると報道。その後、競合各社からも同様の計画が相次いで明らかになった。

バーガーキングの米国部門責任者は、フランチャイズ加盟店への文書の中でマクドナルドを揶揄(やゆ)した上で、「彼らより先に」5ドルのバリューセットを展開するとした。ウェンディーズは3ドルの朝食メニューを開始し、競合他社がそのアイデアをコピーしたとソーシャルメディアで嘲笑した。高価格帯のフラペチーノやラテで知られるスターバックスでさえ、6ドルの朝食セットを始めた。

こうした動きについて質問すると、アーリンガー氏は微笑みながら、競争相手のことはそんなに気にしてないと余裕を見せた。

売上高で全米最大の外食チェーンであるマクドナルドは、その規模とマーケティング力で競合他社に対して優位に立っていると同氏は説明。チキンサンドにフライドポテトとドリンクを追加することによるコスト増はごくわずかだと述べた。5ドルのメニューはマックチキンもしくはマックダブルにチキンナゲットが4個、それにスモールサイズのポテトとドリンクが付く。

ただ、マクドナルドの大半の店舗を運営するフランチャイズ加盟店は複雑な心境のようだ。彼らは顧客呼び寄せのバリューセットには前向きだが、ビッグマック・セットなど比較的高額な商品の買い控えにつながることを懸念している。