米国株は「トリプルウィッチング」で波乱も-5.5兆ドルの期日到来

AI要約

米国株関連オプションの満期日が21日に集中し、ボラティリティーに飢えたトレーダーに短期的な相場変動をもたらす可能性がある。

オプションの満期に伴い、投資家はポジションを調整し、出来高が増加する見込みで、相場に影響を与える可能性がある。

指数のリバランスや決済後の「ロングガンマ」の規模増加など、もたらされる影響が注目されている。

(ブルームバーグ): 21日に米国株関連オプションの満期日が集中するため、ボラティリティーに飢えたトレーダーに短期的な相場変動をもたらすかもしれない。

オプションプラットフォームのスポットガンマの試算によると、21日の「トリプルウィッチング」では株価指数と個別株、上場投資信託(ETF)に関連する約5兆5000億ドル(約874兆円)相当のオプションが満期を迎える。これに伴い、投資家はポジションを調整するため、出来高が急増し個々の保有資産を揺るがす可能性がある。

S&P500種株価指数はエヌビディアなど人工知能(AI)関連株の高騰で上昇しており、同指数のオプションのインプライドボラティリティー(IV、予想変動率)が新型コロナウイルス禍前以来の低水準付近にある中でオプション期日を迎える。

また、指数のリバランスとも重なる。S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスは構成銘柄ウエートを見直し、指数に連動するETFは同様の調整を行う。

ゴールドマン・サックス・グループのグローバル・マーケッツ部門マネジングディレクター兼タクティカルスペシャリストのスコット・ルブナー氏によれば、これらのポジションのロールオフ後にいわゆる「ロングガンマ」が50億ドル規模になると推定される。

21日のイベント集中と来週金曜日(28日)のラッセル指数の銘柄入れ替えは「典型的な資産運用会社が売買高急増の機会をより積極的に利用し戦術的にポジションを調整するため、爆発的なトレーディングになる」とルブナー氏は予想した。

スポットガンマの創業者ブレント・コチュバ氏によると、今回のコールとプットの想定元本の差は約11倍で、前四半期の5倍近くから大きく拡大した。これはプット需要が縮小する一方で、上昇エクスポージャーに対する需要の高まりを示唆している。また、取引量の多いベンチマークや株式が21日から来週初めにかけて小幅に下落する可能性もあるという。