阪和道延伸「紀伊半島の最南端」で困難発生中!? 「謎の岩だらけ」で「5倍の時間」必要!? ぐるり一周のハイライト区間「すさみ串本道路」どうなる

AI要約

近畿地方の紀伊半島をぐるりと一周する高速道路の全通に向けて工事が進行中。現在、最南端のすさみ串本道路では地質条件の難しさに直面している。

紀伊半島の西側を結ぶ高速道路の未開通区間も着実に進行中。串本太地道路や新宮~熊野区間など、複数の工区で工事が行われている。

阪和道延伸「紀伊半島の最南端」で困難発生中!? 「謎の岩だらけ」で「5倍の時間」必要!? ぐるり一周のハイライト区間「すさみ串本道路」どうなる

 近畿地方の紀伊半島をぐるりと一周する高速道路が、全通に近づいてきています。

 

 大阪府内から阪和道として南下してきた高速道路は、白浜を経て、いよいよ紀伊半島最南端まで到達しようとしています。

 

 いまの工事状況はどうなのでしょうか。

 現在、紀伊半島西部の高速道路は、南紀田辺ICから無料の「紀勢自動車道」になり、すさみ南ICまでが開通済み。いよいよそこから最南端・串本ICまで回り込んでいくのが、工事中の「すさみ串本道路」(延長19.2km)です。

 途中に和深ICが設けられる計画。本区間では、現道の国道42号が山あいのクネクネ道路で、大雨が降れば通行止めになる脆弱性もあります。さらに高波や津波のリスクもありました。新たな高規格道路は、紀伊半島地域の緊急輸送道路としても役割を果たします。

 2014年度に事業化。開通予定は2025年春と発表されていて、いよいよ完成まで1年を切っている状況です。

 気になる進捗ですが、工事は少し難航しているようです。

 工事を担当する国土交通省 紀南河川国道事務所は2024年6月18日、すさみ串本道路の工事状況について発表しました。

 これによると、和深IC付近の「安指川橋」の橋脚基礎を作るべく河床を掘削していたところ、思わぬ地質状況に手を焼いているようです。

 発表によると、4月中旬から「最大直径約1.3m」の硬質岩が「多数」出現。岩を破砕するためのビットも損耗が激しく、交換作業も相次いで、「通常より平均約5倍の施工時間」がかかっているとのことです。

 機械を大型化しても、やはり何らかの対策工法が必要としており、今後、有識者に意見を聴いて対応を検討するとしています。

※ ※ ※

 紀伊半島「ぐるり一周」の高速道路は、残すところ西側のみ。隣の「串本太地道路」も2021年に着工し、橋脚が現地に姿を現しています。その他の未開通部は新宮~熊野。複数の工区に分かれていて、それぞれが進行中となっています。