運転再開の「坊っちゃん列車」…赤字補てんの寄付、目標額の11%にとどまる

AI要約

松山市が実施していた伊予鉄道の観光列車「坊っちゃん列車」運行支援のふるさと納税型クラウドファンディングが終了。目標額に対し283万6115円を調達。

列車は一時的に運休した後、赤字補填のためCFで寄付を募るも、11.3%にとどまる結果に。具体的な使い道は検討中。

CFは初回実施で手数料は寄付額に応じて算出され、次回の実施に向けて市は検討中。

 伊予鉄道の観光列車「坊っちゃん列車」の運行支援として、松山市が実施していたふるさと納税型クラウドファンディング(CF)が17日夜、終了した。2500万円の目標額に対し、寄付額は283万6115円と11・3%にとどまった。寄付は観光促進のための基金に積み立てられるが、市は具体的な使い道は検討中としている。

 同列車は、昨年11月に人手不足などを理由に一時的に運休した。市が伊予鉄グループなどと話し合う中で、運行は慢性的な赤字だったことが判明。赤字額を補填するため、市は今年3月20日、同列車の運行再開と同時にCFで寄付を募り始めた。

 CFは当初、2回の実施を想定し、目標額は計5000万円の予定だった。市観光・国際交流課によると、手数料は寄付額に応じて算出されるため、CF実施にかかった費用が寄付額を上回ることはないという。市は今後、1回目の結果や同列車の経済効果、市民の意識調査などを踏まえ、2回目のCFを実施するかどうか検討する。

 ふるさと納税に詳しい慶応大の保田隆明教授(商学)は「目標の妥当性や、寄付を勢いづける努力が初期にできていたのかどうかは、検証する必要はある」と指摘。「返礼品がなく、案件として難しかったと思われるが、集まった金額は少ない数字ではない。CFは各課が独自で財源を確保できる画期的な制度で、宣伝効果も期待でき、今後も積極的に活用すべきだ」と話した。