西部ガスHD・加藤卓二社長インタビュー LNGタンク増設可否を年内に判断

AI要約

西部ガスホールディングスの加藤卓二社長は、液化天然ガス(LNG)の供給拠点「ひびきLNG基地」の能力増強の可否を年内に判断する考えを示した。

LNGタンク1基の増設計画があり、工事費の高騰を受け最終判断すると述べた。

また、九大と都市再生機構(UR)との再開発プロジェクトに参加し、未来の街づくりに意欲を示している。

西部ガスHD・加藤卓二社長インタビュー LNGタンク増設可否を年内に判断

西部ガスホールディングスの加藤卓二社長=写真=が、17日までに産経新聞のインタビューに応じ、液化天然ガス(LNG)の供給拠点である「ひびきLNG基地」(北九州市若松区)の能力増強の可否を年内に判断する考えを示した。産業分野での需要拡大や海外への事業展開を見据え、LNGタンク1基の増設を計画していた。ただ、工事費が高騰しており、投資額と中長期的な収支を踏まえて最終判断する。

同社は現在、同基地に18万キロリットルのタンク2基を保有している。脱炭素関連の需要増に対応するため、23万キロリットルの3号基を増設する計画を打ち出していた。加藤氏は「2050年カーボンニュートラルを見据え、今後は産業分野で石炭・石油からLNGへの切り替えが進む。何とかチャレンジしたい」と述べた。

ネックは工事費の急騰で、約250億円を想定していたが、人件費や資材高騰などで五百数十億円に跳ね上がっているという。加藤氏は「投資額があまりにも想定を超えた場合には増強せず、不動産などの新規事業に投資することになるだろう。今はその分岐点だ」と説明した。入札による工事費の圧縮効果を見極め、許容範囲に収まれば令和6年度内に着工し、11年度内の運転を目指す。

一方、九州大学箱崎キャンパス跡地(福岡市東区)の再開発で、九大と都市再生機構(UR)は西部ガスも加わる企業グループを優先交渉権者に選出した。加藤氏は「未来に向かって夢がある職住接近型の街をつくり、地域の活性化につなげたい。研究開発機能も充実させ、国内外に先進技術を発信できる拠点にしていきたい」と意欲を見せた。(千田恒弥)