武田国男さん死去 武田薬品工業の元社長 創業家出身、改革を断行

AI要約

武田薬品工業の元社長である武田国男氏が84歳で神戸市の病院で死去した。入社から約30年後に社長に就任し、成果主義の賃金制度を導入し、世界最大の市場である米国での販売を強化するなどの経営改革を行った。日本の製薬会社で初めて1兆円を超える売上高を達成した。

武田氏は創業家の6代目として生まれ、武田薬品工業に62年入社。家族的な風土を大切にしながらも、経営改革を進め、製薬研究に専念できる環境を整えた。会社の国際化戦略や収益の向上に貢献した。

葬儀は家族葬となり、喪主は明らかにされていない。香典は辞退されている。武田氏の死去により、日本の製薬界に大きな損失が生じた。

武田国男さん死去 武田薬品工業の元社長 創業家出身、改革を断行

 武田薬品工業の社長を務めた武田国男(たけだ・くにお)さんが8日、老衰のため神戸市の病院で死去した。84歳だった。同社が17日発表した。葬儀は家族で営み、喪主は明らかにしていない。香典は辞退している。

 1940年、創業家の6代目武田長兵衛氏の三男として兵庫県で生まれた。62年に入社し、93年に社長に就いた。

 「家族的でもたれあっていた」として、成果主義の賃金制度を取り入れるなどの改革を断行。世界最大の市場である米国での販売を強化して国際化を進めた。膨大な研究開発費がかかる製薬に専念できるよう事業を整理し、高い収益を上げる経営体質の礎をつくった。日本の製薬会社で初めて1兆円を超える売上高を達成した。