キャデラック、新型バッテリEV「オプティック」発表 独自開発のアルティウムプラットフォームで航続距離300マイルを実現

AI要約

キャデラックは、新型EVモデル「オプティック」を発表。新しいEVラインアップに加わり、革新的なデザインと高性能を備える。

オプティックはファストバックスタイルのエクステリアや豪華なインテリアを備え、最先端のテクノロジーが搭載される。

グローバルで注目されるEV市場への参入を図り、ヨーロッパでも販売を開始する予定。パフォーマンスとデザインの両面で期待が高まっている。

キャデラック、新型バッテリEV「オプティック」発表 独自開発のアルティウムプラットフォームで航続距離300マイルを実現

 キャデラックは5月29日(現地時間)、新型バッテリEVモデル「オプティック(OPTIQ)」を発表した。

 オプティックは、「リリック(LYRIQ)」「エスカレード(ESCALADE)」「セレスティック(CELESTIQ)」、さらに来年発表予定の「ヴィスティック(VISTIQ)」など、キャデラックのEVラインアップに加わるモデル。ラグジュアリーとスポーツの2グレードが用意され、推定価格はデスティネーション・チャージ込みで5万4000ドルから(税金、権利証、ライセンス、ディーラー手数料を除く)で、最終価格はディーラーが設定するとしている。また、生産開始は今秋後半の予定。

 独自開発したEV専用のアルティウム・プラットフォームは、リリックよりホイールベースが6インチ短く、デュアルモーター全輪駆動を標準装備。革新的なベント付きリアスポイラーやディフューザー、その他の造形要素など、車両デザインを損なうことなく車両後方での空力性能の向上を実現したほか、低燃費タイヤ(LRR)の採用により、航続距離は300マイルを実現するという(キャデラック推定値)。

 エクステリアは、スポーティで若々しい個性を表現するキャデラックのEVポートフォリオを採用。洗練されたサーフェスとテクノロジをシームレスに融合させたシルエットは、ファストバックスタイルの視覚的な軽快さと、キャデラック特有のクロスオーバーEVのスタイリングを両立。大胆なプロポーションのホイールとタイヤでアスレチックなキャラクターとサイズ感を強調している。

 また、透明なガラスから遮光するルーフへの切り替えをシームレスに実現した「固定ガラスルーフ」や、グリル内にレーザー・エッチングしたパターンを施し、さりげないハイテク感を演出するバーティカル・シグネチャーデザインを採用した「ブラック・クリスタル・グリル」を装備した。

 リアクォーターパネルのウィンドウデザインは、キャデラック初の特有のパターンを施した音響ラミネートガラスを採用。このグラフィック・パターンは随所に見られ、モンドリアンの紋章と調和して、キャデラックのクラシックなスタイリングを表現したという。

 そのほかにも、ドライバーが車両に近づいたり降りたりすると、キー・フォブによる車両が挨拶するようなライティングを演出「シグネチャー・ライティング・コレオグラフィ」も搭載している。

 イルミネーションや装飾が施され、直感的に操作できる車載テクノロジ機能を搭載する広々としたラグジュアリーな車内は、ハイテクと快適さを兼ね備えつつ、つながりを感じられるデザインを採用。また、パターン入りアクセントファブリックは、100%リサイクル素材から作られた糸で織られていて、ペーパーウッド材は、チューリップ材と新聞のリサイクルペーパーを同量ずつ使用しているという。

 さらに、9K解像度で10億色以上を投影できる「33インチ対角のLEDディスプレイ」を搭載するほか、高精細GPSマッピング、ドライバーアテンションシステム、車線変更機能、ステアリングライトバーを標準装備(3年間のコネクテッドサービス)する「スーパークルーズドライバーアシスタンス技術」を採用。

 そのほかにも、標準装備の安全運転支援技術には、「アダプティブ・クルーズ・コントロール」「ブラインド・ゾーン・ステアリング・アシスト」「エンハンスト・オート・パーキング」「フォワード・コリジョン・アラート」などを完備しつつ、GoogleマップやGoogleアシスタントなどGoogleの機能を内蔵した互換性インフォテインメントエクスペリエンスも搭載する。

 カスタムチューニングされた19スピーカーとアンプを搭載したAKGオーディオシステムと、お気に入りの音楽やエンターテインメントの奥行き、明瞭さ、ディテールをより鮮明にする没入感のあるサウンド体験を提供する「Dolby Atmos」を標準装備する。

 グローバル・キャデラックのバイスプレジデントであるジョン・ロス氏は、「キャデラックは、常にアメリカン・ラグジュアリーを定義してきましたが、『オプティック』は、キャデラックの大胆な革新的精神が、EVの未来へと前進していることを示す一例です。過去5年間で、キャデラックは世界で約100万人の新規顧客をファミリーに迎え入れ、北米における若年層の購入比率は5%上昇しました。今後10年以内に全車電動化のポートフォリオを提供することを目指す私たちにとって、『オプティック』は、ラグジュリーEVを求めるお客さまをキャデラックに惹きつける重要なゲートウェイとなるでしょう」とコメント。

 また、GMヨーロッパのプレジデント兼マネージング・ディレクターであるジャクリン・マクエイド氏は、「キャデラックの欧州におけるEV参入の一環として、『オプティック』のデビューをパリで迎えられることを大変うれしく思っています。今年後半には、『オプティック』の仕様を発表し、販売を開始できることを楽しみにしています」と述べている。

 さらに、チーフ・エンジニアのジョン・コックバーン氏は、「オプティックは、ほぼ瞬間的なトルクにより、ユニークで活気のある運転体験を提供します。 アルティウム・プラットフォームにより、小さなパッケージに十分なパワーを詰め込むことを可能にし、スリリングなパフォーマンスを実現して、正確で安定した感覚を提供します」とオプティックの性能を紹介している。

 加えて、キャデラック・デザイン担当エグゼクティブ・ディレクターのブライアン・ネスビット氏は、「オプティックの大胆なデザインは、キャデラックのラグジュアリースタンダードを生かしつつ、若々しくスポーティで革新的です。表現力豊かなディテール、統合されたテクノロジー、居心地のよいインテリアは、ドライバーに真の没入感をもたらします」と述べている。