エリオットがソフトバンクG株大量取得、2.3兆円の自社株買い求める

AI要約

エリオット・マネジメントがソフトバンクグループの株式を大量取得し、自社株買いを求める

エリオットは20億ドル以上の株式を持ち、創業者の孫正義氏の自信向上を市場に示すことを主張

SBGはAIや半導体分野への投資を再び積極化する準備を進めている

エリオットがソフトバンクG株大量取得、2.3兆円の自社株買い求める

(ブルームバーグ): アクティビスト(物言う投資家)として知られる米ヘッジファンド運営会社エリオット・マネジメントは、ソフトバンクグループ(SBG)の株式を大量に取得し、150億ドル(約2兆3300億円)相当の自社株買いを同社に求めている。事情に詳しい複数の関係者の話で分かった。

部外秘情報だとして関係者が匿名で明らかにしたところによれば、資産家ポール・シンガー氏が設立したエリオットは、SBG株の保有を20億ドル余りに積み上げており、ここ数カ月に同社経営陣と接触してきた。エリオットはこの規模の自社株買いを行えば、創業者の孫正義氏の同社に対する自信を市場に示すことになると主張している。5日の東京市場でSBGの株価は前日比4.6%上昇し、3月以来最大の上げを記録した。

エリオットがSBGを標的にするのは今回で2度目で、2020年には株式保有を約30億ドル相当に積み上げた。その後、SBGは自社株買いペースを急速に上げ、同ファンドは持ち分をほぼ全て手放していた。

SBGとエリオットの担当者はコメントを控えた。エリオットの投資については英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が5日に先に報じた。

エリオットは世界有数の大企業に投資し、改革を迫ることで知られる。アクティビスト投資家の日本への関心が再燃している中で、今回のSBG株保有拡大は、エリオットにとって一連の日本関連ディールの最新案件。

SBGは半導体設計を手掛ける英子会社アーム・ホールディングスなどの主要資産の価値が急増した後、人工知能(AI)やその他の分野への投資を再び積極化する準備を進めている。

ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のアナリスト、マービン・ロー氏は、アームの株価上昇と、それに伴う持ち株会社の純資産価値の押し上げで、SBGには自社株買いを実施する理由が少ないと指摘。投資家は目先のリターンよりも、SBGの長期的な戦略に注目する可能性があると分析した。