ECB、プライベートエクイティー業界関連の銀行融資を精査

AI要約

欧州中央銀行(ECB)は、高債務企業への融資リスクやプライベートエクイティー(PE)投資業界への影響を精査している。

多額の負債を抱える企業のデフォルト率が上昇し、低金利時代の影響も指摘されている。

規制強化の一環として、ECBは金融機関に対し追加的な資本要件を適用しているが、一部の銀行からは不満の声が上がっている。

(ブルームバーグ): 欧州中央銀行(ECB)は、企業のデフォルト(債務不履行)リスクが高まる中、域内の大手銀行がプライベートエクイティー(PE、未公開株)投資業界にどのように融資しているかを精査している。

ECBは高債務企業向けの融資について、適切なデフォルト確率を割り当てているかどうかを確認するため、約12の大手金融機関を対象に詳細な評価を行っていると、事情に詳しい関係者が述べた。こうした高債務企業はPEファンドが所有していることが多い。

これとは別に、潜在的な集中リスクを明らかにするため、個々のバイアウト会社に関連する企業への融資の総額に関するデータを銀行から収集しているという。

関係者が匿名を条件に述べたところによると、ECBはレバレッジドファイナンスとして知られるビジネスにおける問題点についての予備的な調査結果を、さまざまな金融機関に提示した。一部銀行に潜在的な貸し倒れに対する引当金の積み増しや資本増強を求める可能性があるという。

ECB報道官はコメントを控えた。

中銀による利上げが安価な信用供与の時代に突然終止符を打ち、プライベートエクイティー業界は試練にさらされている。多額の負債を抱えている企業を中心にデフォルト率が上昇し始めている。10年にわたる低金利時代には高バリュエーションでの企業買収が行われてきたため、買収された企業は多くの負債を抱えている。

欧州の一部銀行がプライベートエクイティー関連の融資をする際の過剰なリスクテークやリスク管理の甘さをECBは問題視しており、今回の見直しはこれを抑制するための長期的な取り組みの一歩だ。

規制強化の一環として、ECBは依然にドイツ銀行やBNPパリバなどいくつかの金融機関に追加的な資本要件を適用したが、対象銀行の一部からは不満の声が上がった。

ECBは、レバレッジドローンの大きなポートフォリオを持つ銀行は景気が悪化した時に他の銀行よりも貸倒率が高くなると主張。こうした銀行はそのようなシナリオに備え十分な準備金を積み立てる必要がある論じている。