高くて手が届かなかったバットをサブスクに 「超野球専門店」が磨き上げるサービス戦略

AI要約

千葉県鎌ケ谷市の超野球専門店CVは、バットやグラブなどの野球用品に特化し、豊富な品ぞろえで顧客を全国に広げています。

中村勇太さんは高校野球経験を活かし、野球用品への特化を加速させ、サブスクリプションサービスも導入して地域密着の専門店として成功。

スポーツシーブイの歴史や中村さんの家業継承の経緯も紹介。年商や従業員数などの店舗情報も含まれている。

高くて手が届かなかったバットをサブスクに 「超野球専門店」が磨き上げるサービス戦略

 千葉県鎌ケ谷市の超野球専門店CVは、バットやグラブなどの野球用品に特化し、豊富な品ぞろえで顧客を全国に広げています。祖父の代から続く店の3代目で、運営会社スポーツシーブイ社長の中村勇太さん(37)は大手量販店に対抗するため、野球用品への特化を加速。採用は高校野球経験を必須とし、接客だけでなく野球用品の修理・加工ができるように指導し、店の売り上げを黒字に転換させました。高額になりがちな野球用品を使うハードルを下げようと、高品質のバットを試せる月額制のサブスクリプションサービスも導入して、利用者を全国に拡大。地域密着の専門店として差別化に成功しました。

 超野球専門店CVは「関東最大級の『超』品揃え」を掲げ、店に入るとバットやグラブが所狭しと並びます。価格帯は、バットが1万円~5万円、グラブが5万円~6万円、シューズが1万円~2万円で、年間販売数(サブスクリプションを除く)は、バット2200点、グラブ4500点、シューズ3400点にのぼります。

 顧客数(会員数)は2万7800人で、年商は約6億円(2022年9月~2023年8月)。従業員数は13人(役員をのぞく)で、ほかパート・アルバイト従業員が6人です。中村さんの妻や妹2人も家業を手伝っています。

 中村さんの祖父は1973年、「カマガヤスポーツ店」を創業し、1981年に現在のスポーツシーブイになりました。当時は学校のジャージーやスポーツ用ボストンバッグなど、商品を並べれば売れる時代だったといいます。

 スポーツシーブイの定年制度に基づき、祖父は65歳で経営を退き、中村さんの父が2代目に。そのころは各種競技の用具を取りそろえた一般的なスポーツ用品店でした。

 3代目の中村さんはプロ野球選手を夢見て野球に打ち込み、高校野球が終わったころから、家業を継ぐことを考え始めます。順天堂大学では野球部で汗を流しながらスポーツマネジメントを学び、卒業後、父の知人が経営する奈良県内のスポーツ用品店で修業に入ります。