「ポリコレ」ディズニーに猛反発...保守派が制作する、もう1つの『白雪姫』とは

AI要約

デイリー・ワイヤーが独自の実写版『白雪姫と邪悪な女王』を制作し、グリム兄弟の原作に忠実に焦点を当てる作品として話題に。

ディズニーの実写版『白雪姫』では、異なるアプローチで物語を描き、フェミニズムの視点から解釈し、物語の展開が注目を集める。

両作品の公開時期や出演者の選定に関する論争やストーリーの違いが深まりながら、両作品の製作が進行している様子が伺える。

「ポリコレ」ディズニーに猛反発...保守派が制作する、もう1つの『白雪姫』とは

白雪姫が政治論争の渦中に投げ込まれた。白雪姫を主人公とする実写映画が2本作られたのだが、これが実に対照的なのだ。

昨年10月、保守系メディアのデイリー・ワイヤーは、ディズニーの実写版『白雪姫』に対抗して独自の実写版を公開すると発表。デイリー・ワイヤーの『白雪姫と邪悪な女王』は、同社が運営するファミリー向け動画配信サービス、ベントキーで年内に公開される予定だ。

今年5月には本作で白雪姫を演じるブレット・クーパーが、カナダの心理学者で反フェミニズムの急先鋒でもあるジョーダン・ピーターソンのポッドキャストに出演。謎に包まれた映画について語った。

クーパーはドラマ『ヘザース』などに出演する俳優だが、保守系ポッドキャスト「コメンツ・セクション」の主宰者という顔も併せ持つ。彼女によれば『白雪姫と邪悪な女王』はグリム兄弟の原作を忠実になぞり、忍耐、善悪の戦い、美と虚栄の違いといったテーマに焦点を当てるという。

「ディズニーの実写版があんなふうになると知って、みんなとてもがっかりし、怒っている」と、クーパーは語った。ディズニーが白雪姫役にラテン系の俳優を起用したことなどをめぐる論争を踏まえての発言だ。

公開はデイリー・ワイヤー版が先になるだろう。ディズニーは『白雪姫』の公開を今年3月に予定していたが、映画俳優協会のストを理由に1年延期すると昨年秋に発表した。しかしアンチ派は、延期は炎上の沈静化を図るためではないかとみている。

ディズニー版ではイスラエル出身のガル・ガドットが継母の女王に扮し、スティーブン・スピルバーグ監督の『ウエスト・サイド・ストーリー』で知られるラテン系のレイチェル・ゼグラーが白雪姫を演じる。

実写版ではフェミニズムの視点から『白雪姫』を語り直すことになるとゼグラーは説明し、右派やオリジナルアニメの熱狂的ファンを怒らせた。2022年9月には業界紙で「今は1937年じゃない。白雪姫は王子様に救われたりしないし、真実の愛を夢見たりもしない」と語った。

同じ時期に開かれたディズニーのイベント「D23エキスポ」では、白雪姫を救う王子をおとしめた。「アニメが公開されたのは1937年で、内容も時代を感じさせる。白雪姫をストーカーみたいにつけ回す男とのロマンスが主軸だなんて、すごく変。実写版はそんなふうにはならない」

どちらのコメントも当時は話題にならなかったが、主要撮影の終了後に撮り直しがあったことが昨年夏に報じられ、難航が噂されると改めて注目を浴びた。