洪水で全市民が避難、山火事で幹線道路寸断 欧州を襲う異常気象

AI要約

ポルトガルでは記録的な豪雨による洪水と、大規模な山火事が続いている。

中・東欧では洪水による死者が上っており、ポーランドでは4万4000人が避難を余儀なくされている。

ポルトガルでは火災が7人の死亡を引き起こし、消防士3人が消防車の炎上で亡くなった。

洪水で全市民が避難、山火事で幹線道路寸断 欧州を襲う異常気象

リスボン(CNN) 中欧で記録的な豪雨による河川の氾濫(はんらん)や洪水が続く中、ポルトガルでは各地で多発した大規模な山火事の被害も広がっている。

ポルトガルでは15日から17日にかけ、火災のために7人が死亡した。このうち消防士3人は、17日に起きた消防車の炎上で命を落とした。

一方、中・東欧を襲った史上最悪といわれる洪水の死者は少なくとも17人に上っている。

ポーランド南西部ニサでは、市内を流れる河川の水位が上昇して洪水被害が拡大する恐れがあるとして、市長が全住民4万4000人に避難命令を出した。

消防や住民は17日未明にかけ、夜を徹して堤防に土嚢(どのう)を積み上げる作業を続けた。濁流が押し寄せた病院からは、患者や妊婦が避難した。

大雨は17日には収まる見通しだが、河川の水位が上昇した危険な状態が続いて低い場所では洪水の恐れがあるとして、当局が警戒を呼びかけている。

17日にはイタリア北部と東部にも警戒警報が出された。

隣国チェコと国境を接するポーランドのロンデクズドルイでは、ヘリコプターが出動して自宅に取り残された住民を救助した。

温泉リゾートで有名なチェコのイエセニークでも、何日も降り続いた豪雨で大きな被害が出ている。

ポーランド内務省は17日、全土で多発する山火事のために高速道路や一般道が通行止めになり、国内の交通に支障が出ていることを明らかにした。

山火事が迫った高速道路は、首都リスボンと第2の都市ポルトを結ぶ路線を含め、6本が閉鎖を強いられた。計19本の幹線道路が火災のために通行止めとなっている。

防災当局によると、17日の時点で約20件の大規模火災が各地で続いており、消防士5000人あまりが消火活動に出動している。

CNN提携局CNNポルトガルの17日の報道によると、市民が自宅から避難したり、学校が閉鎖されたりした地域もある。

欧州気象衛星開発機構は17日、山火事の巨大な煙が宇宙からも観測されたと発表した。

ポルトガル防災当局によると、通常であれば夜間は気温が下がって湿度が高くなるはずが、現在は夜に入っても乾燥が続いて火災の延焼を食い止められない状況にあるという。