金価格の最高値更新が続く 節目の3000ドル到達も視野に

AI要約

金価格は強気派の買いで最高値更新が続いており、主要中銀の金融緩和や接戦の米大統領選を背景に1オンス=3000ドルの節目達成に関心が集まっている。

金現物は9月13日に2572.81ドルをつけて最高値を更新し、2020年以降で最大の年間上昇率を達成する勢いとなっている。地政学的・経済的な不透明感による安全資産としての需要の高まりと中央銀行の買いに支えられている。

シティ・リサーチの北米コモディティー部門責任者のアーカシュ・ドーシ氏は、金は米利下げ、上場投資信託の旺盛な需要、店頭での現物需要を材料に25年半ばに3000ドル、24年末には2600ドルに達する可能性があると指摘した。

金価格の最高値更新が続く 節目の3000ドル到達も視野に

金価格は強気派の買いで最高値更新が続いており、主要中銀の金融緩和や接戦の米大統領選を背景に1オンス=3000ドルの節目達成に関心が集まっている。

金現物は9月13日に2572.81ドルをつけて最高値を更新し、2020年以降で最大の年間上昇率を達成する勢いとなっている。地政学的・経済的な不透明感による安全資産としての需要の高まりと中央銀行の買いに支えられている。(16日には2589.59ドルまで上昇し再度高値を更新)

シティ・リサーチの北米コモディティー部門責任者のアーカシュ・ドーシ氏は、金は米利下げ、上場投資信託の旺盛な需要、店頭での現物需要を材料に25年半ばに3000ドル、24年末には2600ドルに達する可能性があると指摘した。

ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)は、金の上場投資信託は8月は4ヵ月連続の資金流入だったと明らかにしている。

米連邦公開市場委員会(FOMC)が18日に迫り、市場の関心は20年以来の米利下げの可能性に集まっている。金利の付かない金にとって低金利は支援材料となる傾向がある。

ザナー・メタルズのバイス・プレジデント兼シニア・メタルストラテジスト、ピーター・A・グラント氏は、「今後発表されるデータが成長リスクや労働市場の弱さを示すものであれば、11月か12月の50bp米利下げの可能性が高まる。そうなれば金価格にとっては追い風で、3000ドル達成が早まる」と述べた。

主要中銀による利下げは進んでおり、12日には欧州中央銀行が今年2回目となる0.25%の利下げを決定した。

WGCのマーケット・ストラテジスト、ジョセフ・カバトーニ氏は、「われわれは、米国の選挙が間違いなく不確実性を高め、金が当面のイベントリスクに対するヘッジの役割を果たすなど、投資家の需要を後押しする他の要因も考慮している」と述べた。

11月5日の米大統領選挙は、市場の潜在的なボラティリティーにより投資家は安全資産である金に目を向けるとみられ、金価格を押し上げる可能性がある。

RJOフューチャーズのシニア・マーケットストラテジスト、ダニエル・パビロニス氏は、3000ドルの目標達成は可能とし、選挙後の政治の不安定化でそのシナリオが一層強化される可能性があると述べた。

投資銀行やアナリストは金に対してますます強気になっており、ゴールドマン・サックスは地政学的リスクや金融リスクに対するヘッジとして金の短期的上昇にこれまで以上の自信を示している。

オーストラリアのマッコーリーは金価格の予測を引き上げ、来年第1四半期に2600ドルの平均サイクルピークを迎え、3000ドルに急騰する可能性もあるとみている。

マッコーリーのアナリストは、「先進国の厳しい財政見通しは構造的に金のプラス材料であることに変わりはないが、すでに多くのことが価格に織り込まれているようで、来年後半には循環的な逆風が吹く可能性がある」との見方を示した。