ファーウェイ、三つ折りスマホ「Mate XT」を「iPhone 16」と同日発売は自信の表れ(海外)

AI要約

アップルは最新iPhoneを発表する大規模なイベントを開催しました。中国のライバル企業ファーウェイは、わずか数時間後に独自の三つ折りスマートフォン「Mate XT」を発表し、2800ドルという高価格でアップルに挑戦しました。

ファーウェイは中国市場でのシェアを伸ばしており、アップルが中国で苦戦している状況を利用して競争を繰り広げています。また、アップルはAI機能の導入で買い替えサイクルを推進していますが、中国市場ではまだ展開が進んでいないという課題があります。

ファーウェイの挑戦に対し、アップルは新しいフォームファクターの携帯電話を模索していますが、AIを搭載しないiPhoneの販売は中国市場での競争が激しくなる可能性があります。

ファーウェイ、三つ折りスマホ「Mate XT」を「iPhone 16」と同日発売は自信の表れ(海外)

アップルは、最新iPhoneを発表する大規模なイベントを開催した。

そのわずか数時間後に、中国におけるアップルのライバルであるファーウェイが、独自の三つ折りスマートフォン「Mate XT」を発表して、アップルに向けられていた注目を奪おうとした。

2800ドルの「Mate XT」が発表されたことで、アップルは中国でのiPhoneの販売に苦戦するだろう。

アップル(Apple)は毎年秋に最新の「iPhone」を発表し、スマートフォン業界の主役となっていた。しかし、今年は中国における最大のライバル企業が、そのシナリオを書き換えようとした。

アップルが2024年9月9日に「iPhone 16」を発表したわずか数時間後に、ファーウェイ(Huawei)が「Mate XT」を発表し、アップルに向けられていた注目を奪おうとしたのだ。Mate XTは2800ドル(約40万円)のスマートフォンで、世界初とされる「三つ折り」デザインを採用しており、折り畳みスマートフォンの市場をレベルアップさせるものだとファーウェイは主張している。

この挑戦をさらに際立たせるために、ファーウェイは9月20日にMate XTの店頭販売を開始する。この日はiPhone 16が中国で発売されるのと同じ日だ。Mate XTの予約注文数(保証金不要)はすでに300万件近くに達しているという。

この動きは、ファーウェイがスマートフォン市場でアップルに対抗できる自信があるということを示している。その背景には、アップルが同社にとって最も重要な国際市場である中国で、困難な状況に直面しているということがある。

しばらく前から、アップルは中国でのiPhone販売の落ち込みを懸念しながら見守ってきた。調査会社Counterpointのデータによると、中国における2024年のiPhone販売台数は、前年同期比で第1四半期に19.1%減少し、第2四半期には5.7%減少した。

アップルが市場シェアを落とした分、ファーウェイのシェアが伸びているようだ。ファーウェイのスマートフォン販売台数は、前年同期比で2024年第1四半期に69.7%増と急激な伸びを見せ、第2四半期も44.5%増とかなり好調だった。

マーケティング会社Enders Analysisのシニアリサーチアナリスト、ジェイミー・マキューアン(Jamie MacEwan)がBusiness Insiderに語ったところによると、「注目が集まる」Mate XTは「価格帯の最上位にあるかなり小さなニッチ」市場をターゲットとしているものの、「ファーウェイの勢いが戻ってきた」ことを示すものだという。

ファーウェイはアメリカが課した輸出規制によって主要部品へのアクセスが制限され、何年にもわたって苦戦を強いられてきた。

しかし2023年8月、中国のチップメーカーSMICが製造する先進的なチップを搭載したスマートフォン「Mate 60 Pro」をリリースし、テクノロジー業界を驚かせた。

「Mateの最新主力モデルは、市場に大きなインパクトを与えるだろう」とマキューアンは述べている。

一方のアップルは、最新のAI機能「Apple Intelligence」を試したがっているユーザーが、買い替えサイクルを引き起こすことに賭けている。

ディープウォーター・アセット・マネージメント(Deepwater Asset Management)のマネージングパートナーであるジーン・ミュンスター(Gene Munster)は、「今後数年間のiPhoneの成長率を含め、AIがすべてを変える」と考えている。アップルは、9月9日に開催された新製品を発表する「Glowtime」イベントで、「Apple Intelligence」を大きく取り上げ、その重要性を主張することに全力を尽くした。

AIの搭載により買い替えサイクルが促進されるのかどうかは、まだ分からない。ファーウェイの脅威に直面しているアップルにとっての大きなリスクは、注目を集めているAIの新機能が中国では2025年まで展開されないということだ。

そのため、ファーウェイのMate XTは「おそらく非常によく売れる」だろうと、調査会社Radio Free Mobileの創業者で株式調査アナリストのリチャード・ウィンザー(Richard Windsor)は考えている。中国のユーザーがApple Intelligenceを使えるようになるまでにはまだしばらくかかるからだ。

「アップルが2024年の一番のセールスポイントとしていることが、この戦いが繰り広げられる市場には関係ない」とウィンザーはBusiness Insiderに語っている。

「アップルは中国で劣勢に立たされており、そこからなかなか先に進めないだろう」

アップルはiPhoneのフォームファクター(形状やデザイン)について試行錯誤するのを厭わないようだ。The Informationの2月の記事によると、アップルは折畳み式「クラムシェル」スマートフォンのプロトタイプを2種類開発しているが、量産に入るのは早くても2026年になると見られている。

それまでの間、AIを搭載しないiPhoneは、厳しい競争に直面する中国での販売が難しくなる可能性がある。

「アップルは中国でファーウェイの勢いに対抗し、中国経済が低成長に苦しんでいる中でも、忠実なアップルユーザーに買い替えを促すことに苦労するだろう」とマキューアンは述べた。

ファーウェイはその状況を最大限に活用すると思われる。