摘発瞬間映像も…ベラルーシ、拘束された日本人男性に関する「特別番組」を放送 深まるナゾ

AI要約

ベラルーシの国営テレビが拘束された日本人男性に関する特別番組を放送し、スパイ活動の疑いや日本の情報機関との関わりが報道される。

日本人男性は、ベラルーシの情報機関KGBによって連行され、スパイ活動を行っていたと説明される。そして中西雅敏さんが罪を認める発言をする場面も放送された。

番組内では日本の情報機関との関わりや助言受けた関係者、犯罪を認識していたかについても明らかになる。しかし、一連の報道には疑問も残されている。

摘発瞬間映像も…ベラルーシ、拘束された日本人男性に関する「特別番組」を放送 深まるナゾ

ベラルーシの国営テレビが拘束された日本人男性に関する特別番組を放送しました。番組では、スパイ活動が行われるなかで、別の日本人も関わっていると報じるなど、ナゾはさらに深まっています。

   ◇

ベラルーシ当局によって拘束された日本人男性。

拘束された日本人男性(国営テレビ『ベラルーシ1』より)

「私の名前は中西雅敏です」

疑われているのは、ベラルーシでの“スパイ活動”です。

国営テレビは5日、予告されていた特別番組「東京から来たサムライの失敗」を放送。新たな情報が報じられました。

番組は“衝撃的”な映像からスタート。止まっていたワゴン車に近づいた複数の男性。その手には1人の人物。両手両足を抱え、車両へと押し込んでいくのです。

(国営テレビ『ベラルーシ1』より)

「身体を拘束されている理由は、毒薬などを使うことを阻止するため。この拘束の仕方は秘密警察の伝統的な方法だ」

映像は、ベラルーシの情報機関KGBが中西雅敏さんとみられる人物を連行する様子とみられます。その後は、手錠を後ろ手にかけられている中西さんの姿。警棒を携えた当局職員とともに、施設の階段や廊下を歩く映像が放送されました。

ベラルーシのゴメリ国立大学で日本語教師として教壇に立っていたという中西さん。3年前にはベラルーシの国営メディアに登場。

中西雅敏さん(2021年、国営テレビ『ベラルーシ4』より)

「ベラルーシの人々が、日本のような遠い国の文化に興味を持ってくれることを、とてもうれしく思います」

しかし、今年7月、“スパイ”として拘束されることに…。

ウクライナ侵攻を続けるロシアの同盟国・ベラルーシ。今回の番組では、中西さんが日本の情報機関に協力し、ウクライナとの国境で情報収集を行っていたと説明。軍事施設などを含む9000枚以上の写真を撮影するなどしていたと報じています。

番組内で 中西さんは…

中西雅敏さん

「国家公安委員会へ写真を渡すつもりだった。ウクライナとの国境まで行き、橋などたくさん写真を撮りました」

──犯罪だと理解しているか

中西雅敏さん

「はい」

──同意するか?

中西雅敏さん

「はい」

──罪を犯した?

中西雅敏さん

「はい、犯罪だと理解しています」

調べに対し、罪を認める発言。ただ、一連の撮影は、当局の管理下で行われたとみられます。

   ◇

“サムライの失敗”と銘打たれた、今回の“スパイ報道”。しかし、放送を細かく見ると浮かび上がるのがいくつかの“疑問”。その1つが…

(国営テレビ『ベラルーシ1』より)

「(中西さんは)日本の情報機関の代表者から助言を受けていた」

番組が主張する中西さんが連絡を取り合っていた日本の情報機関関係者。“表の顔”は長野県の会社経営者という男性に、私たちは話を聞くことができました。