韓国・富川のホテルで真夜中に火災…少なくとも19人が死傷

AI要約

22日、京畿道富川の宿泊施設で火災が発生し、7人が亡くなり12人がけがをするなど人命被害が出た。

火災の原因は調査中で、宿泊客が煙や火から避けるために廊下や階段で命を落としたと報告されている。

消防当局は初期消火を行い、調査を進める中、火災の原因が放火や自然発火などさまざまな可能性があることに着目している。

韓国・富川のホテルで真夜中に火災…少なくとも19人が死傷

22日、京畿道富川(キョンギド・プチョン)のある宿泊施設で火災が発生し、7人が亡くなって12人がけがをするなど人命被害が出た。京畿道消防災難本部や警察などによると、この日午後7時39分ごろ富川市遠美区中洞(ウォンミグ・チュンドン)にある9階建ホテルで火事が起こった。午後11時30分基準で、死亡者は7人、重傷者は3人・軽傷者は9人となっている。死亡者はほとんどが韓国人で、30~50代であるという。死亡者のうち一部は心停止状態で見つかり、心肺蘇生術(CPR)を受けて病院に運ばれたが搬送先で亡くなった。

◇一瞬で広がった黒い煙…宿泊客、出口が見つからず廊下・階段で命落とす

死傷者はホテルの8~9階廊下や階段などで発見されたという。消防関係者によると、一部の宿泊客は建物の外に出ようとしたが非常口などが見つからず、火魔を避けることができなかったと推定される。

消防当局は窓を通じて救助するためにエアマットを設置したが、宿泊客のうち一部はエアマットに飛び降りる途中でけがをしたという。死亡者は富川順天郷(スンチョンヒャン)大病院、仁川(インチョン)聖母病院などに運ばれた。

近くのジムを訪れたチェ・ジュンヒョクさん(25)は「窓から男性1人が助けてほしいと大声を張り上げているのを午後7時40分ごろに聞いた。その後、女性も窓から首を出して助けてほしいと訴えていた」とし「一部の宿泊客は飛び降り、エアマットではねて出てくる様子を見た」と話した。近くの店で働いているコさんは「ゴムが焼けるような臭いがして見ると、煙がものすごい勢いで出ていた」とし「喉が痛くなるほどの焼ける臭いと煙が激しく出ていた」と話した。

ホテルには外国人宿泊客も多かったという。同ホテル5階に7日間連泊していた中国人観光客Aさんは「突然夕方に悲鳴が聞こえたが、韓国語がよく分からなくて正確な内容は理解できなかった」とし「非常ベルが鳴り、階段で脱出した。スプリンクラーはなかった」と話した。

火災が発生したホテルの近くには富川順天鄕病院や仁川聖母病院など大型病院が多く、がんなどの病気を治療するために来た外国人が長期間宿泊する場合が多かったという。

2004年に建てられたこのホテルには客室が64室あった。スプリンクラーはなかったという。2017年に改正された建築消防法によると、2階以上で延べ面積500平方メートル以上、高さ13メートル以上の建築物には必ずスプリンクラーを設置しなければならないが、以前に建築された建物には改正法が適用されない。又石(ウソク)大消防防災学科のコン・ハソン教授は「病院など老齢層が利用する施設に対してのみ遡及適用される」とし「ホテルなので中にいた宿泊客が建物の構造についてよく分からず、右往左往しているうちに被害が大きくなった可能性がある。宿泊施設のようなところには外側に階段を設置する必要がある」と話した。

消防当局は事故直後、「ホテル8階の客室から煙が出ている」という通報を受けて火災発生18分後に「対応2段階」を発令した。対応2段階は近くの消防署5~6カ所の人材と装備を動員する警報令だ。指揮車やポンプ車など車両46台と消防署員など150人余りが投入された。この日ホテルには23人が宿泊していたと推定され、火事が起きたと通報があった810号室には人がいなかったという。火災の初期鎮圧は午後10時30分ごろに終了した。

警察関係者は「煙が立ちこめていて消防隊員も現場に進入することがかなり難しかった」とし「防犯カメラや目撃者の証言などを調査し、放火や自然発火などさまざまな可能性を念頭に置いて具体的な火災原因などを調査している」と説明した。