電子レンジを掃除しないと…バクテリアの温床に

AI要約

電子レンジ内部から発見された多種多様なバクテリアについての研究結果が公開された。家庭用や共用電子レンジから747種類のバクテリアが見つかり、一部は健康に害を及ぼす可能性があると警告された。

バクテリアの多様性は、実験室用電子レンジが最も高かった。電子レンジ内部には安全性に影響を及ぼす可能性のあるクレブシエラ、腸球菌、エロモナスなどのバクテリアも含まれることが判明した。

バクテリアは他の場所と同様に電子レンジ内部も定期的に掃除する必要があるという警告が出された。極限環境でも生存できるバクテリアが電子レンジ内に存在することを考慮すると、清潔を保つための努力が必要とされている。

電子レンジを掃除しないと…バクテリアの温床に

 食べ物を短時間で簡単に調理できる電子レンジは、忙しい現代人にとって便利な料理器具だ。家庭やカフェはもちろん、実験室でも日常的に使われている。このような電子レンジを私たちはどれほど頻繁に掃除しているだろうか。最近、電子レンジの内部にも多種多様なバクテリアが生息しているとする研究結果が公開された。

 8日(現地時間)、科学ジャーナル「ニュー・サイエンティスト」は、スペインのバレンシア大学生物学研究所のマヌエル・ポルカ博士と研究チームが、家庭、事務室、実験室などで使用中の電子レンジ内部からサンプルを採取して分析した結果、バクテリアが25種類の門に含まれる合計747種類の属のバクテリアを発見したと報じた。研究論文はこの日、国際学術誌「微生物学フロンティア」(Frontiers in Microbiology)に掲載された。

 報道によると、研究チームは電子レンジ内部の微生物群の生息状況を調べるため、単独世帯の家庭用電子レンジ10台、企業・研究所・カフェなどの共用電子レンジ10台、分子生物学と微生物学の実験室で使用される電子レンジ10台の合計30台からサンプルを採取し、比較・分析した。実験室では、試料の乾燥や水分除去、様々な素材の合成・変形などに電子レンジを使うが、家庭用よりもさらに高く細かい出力で高温・乾燥環境を作ることができる。

 分析の結果、研究チームは、25種類のバクテリアの門から、747種類のそれぞれ異なるバクテリアの属を発見した。バクテリアは単細胞生物だが、宿主がいなければ死ぬウイルスとは違い自活力のある生命体で、プラスチックゴミ、国際宇宙ステーション(ISS)などでも生き残るほど強い生命力を持つ。

 バクテリアの多様性は、家庭用電子レンジが最も低く、実験室用電子レンジで最も高かった。家庭用電子レンジと共用電子レンジで発見されたバクテリアの種類はほぼ一致し、主に人間の手や台所の他の所で発見される種類とも重なった。実験室の電子レンジからは、高温や乾燥した環境やマイクロ波に強いバクテリアの分類群がさらに発見された。

 研究チームは、家庭用と共用電子レンジで発見されたクレブシエラ(急性肺炎の原因菌)、腸球菌、エロモナスなど一部のバクテリアは健康を害する可能性があると警告した。研究チームは「電子レンジで発見されたバクテリアは、一般的に台所で発見されるものと比較して特に危険であるとか独特なわけではなかった」としながらも、「微生物の側面でみれば、電子レンジの内部が台所の他の場所に比べてより清潔でもないため、他の場所と同じように掃除しなければならない」と述べた。

 オーストラリアのニューサウスウェールズ大学のベリンダ・フェラーリ博士研究員も「バクテリアは、ほとんどすべての極限環境でも生存できる。一部の職場では電子レンジを誰も掃除しないことが多い」と述べ、定期的な掃除を勧めた。

キム・ジスク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )