違法改造車を乗り回していた韓国名門大インカレ会長、中古車販売業者をだまして訴訟沙汰

AI要約

数百人規模のサークルが薬物の集団使用、流通、集団性行為に関与する事件が明るみに出た。会長が違法改造したスポーツカーを購入し、違法チューニングのために300万ウォンの損害賠償を得る。

裁判では売り渡し人の告知義務違反が認められ、中古車業者に対し損害賠償が命じられた。また、会長は過去に薬物や盗難の事件に関与し、懲役を言い渡された過去がある。

会長はさらに不当要求や犯罪の容疑で中古車販売業者を告訴したが不起訴処分となった。瑕疵のある車を販売した行為が問題視された。

違法改造車を乗り回していた韓国名門大インカレ会長、中古車販売業者をだまして訴訟沙汰

 ソウル大・延世大・高麗大など首都圏13大学の学生を含む数百人規模のサークルが薬物の集団使用、流通、集団性行為に及んでいた事件が明るみに出た。こうした中で、サークルの会長が見せびらかしていたスポーツカーは違法改造した中古車であることが判明した。この会長は、中古車販売業者が違法チューニングの事実を告知しなかったことを口実に訴訟を起こし、300万ウォン(現在のレートで約32万円。以下同じ)の損害賠償も得ていたという。

 ソウル南部地裁第2民事部(裁判長:ユ・ソクトン部長判事)は2021年6月、被告人の中古車販売業者B氏に対し、原告であるサークル会長A氏に対して300万ウォンおよび遅延利子金を支払うべきことを言い渡した。

 A会長は19年5月、B業者からBMW i8/2015年型を6000万ウォン(約640万円)で購入する契約を結び、名義移転手続きを終えた。A会長は契約当日、車の引き渡しを受けた後、車を走らせているとエンジン警告灯に表示があり、このことを被告に伝えた。A会長はこれを口実に、契約代金を150万ウォン(約16万円)値切った。

 だがB業者は、契約後、車でエンジン警告灯の表示を確認できなかったことから、A会長が代金を値切ったことに不満を抱き「代金をもっと支払わないのなら車のキーと純正マフラーを引き渡さない」と通告した。

 これに対してA会長は19年7月、B業者は車が違法改造されている事実を知っていながらこれを告知せず、残金を全て支払った後にようやくこの事実を知らせたとして、B業者を相手取ってソウル南部地裁に民事訴訟を起こした。

 さらにA会長は「B業者が車の売買代金をだまし取って自分を脅迫し、文書を偽造した」など、犯罪の容疑でもB業者を刑事告訴したが、この告訴は検察の段階で不起訴処理された。

 裁判部は「被告は契約を締結するに当たって、車が違法にチューニングされたことを原告に告知する義務があったにもかかわらず、この事実を知りつつも告知しなかった」とし「これは瑕疵(かし)のある物件を譲渡したものであって、売り渡し人として告知義務に違反し、債務の不履行とみるのが妥当」と判示した。

 一方、「薬物サークル」を運営していたA会長は、21年にソウル市内のホテルで20代の女性と多数の男性の集団性交の場を設け、起訴されてもいた。20年にはソウル・江南の高級ホテルの倉庫から263万ウォン(約28万円)相当の酒を盗み、ソウル・永登浦の大手スーパーからスピーカー・旅行バッグなど金品35万ウォン(約3万7000円)相当を盗んだ疑いで起訴され、翌年に執行猶予付きの懲役を言い渡された。

キム・ドヨン記者