ドイツモーターズ事件の共犯「VIPは大統領ではなく海兵隊司令官」…疑わしい理由

AI要約

尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領夫人の関与したドイツモーターズ株価操作事件に関連する録音記録が公開され、イ・ジョンホ前代表が重要人物として浮上した。

イ前代表はイム前師団長と大統領夫妻をつなぐ役割を果たしており、救済説を否定していたが、録音記録からその主張に疑念が生じた。

イ前代表の説明には信ぴょう性に欠ける部分があり、関連する通話内容や人物との関係性が明らかになっている。

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領夫人のキム・ゴンヒ女史がかかわったドイツモーターズ株価操作事件のコントロールタワーとして知られる「ブラックパールインベスト」のイ・ジョンホ前代表と公益情報提供者のA弁護士の間の通話の録音記録が公開され、イ前代表がいわゆる「イム・ソングン救済説」の重要人物として浮上した。

 尹錫悦大統領が自身と個人的なつながりがなかったイム・ソングン海兵隊1師団長(当時)の処理問題をめぐり激怒した背景について、様々な疑惑が持ち上がっていた状況で、イ前代表がイム前師団長と大統領夫妻をつなぐ橋渡し役だったということだ。「イム・ソングンという人は全く知らない」として救済説を否定し続けてきたイ前代表は、「私が(イム・ソングンについて)VIPに話をする」と語る録音記録が公開されると、大袈裟な表現だと一蹴した後、VIPというのは尹大統領ではなくキム・ゲファン海兵隊司令官を意味するものだと主張した。

 先月21日、海兵隊員C上等兵殉職事件特検法聴聞会で、イム前師団長が海兵隊の人脈を使い大統領室に救済ロビーをしたのではないかという「ゴルフ会合疑惑」をパク・ギュンテク議員(共に民主党)が提起してからというもの、イ・ジョンホ前代表はハンギョレに「イム・ソングンという人は全く知らない。知らない人なのに救済などするわけがない」と釈明した。

 会ったことがないというのではなく、人物の存在自体を知らないという説明だったが、ハンギョレが入手したイ前代表とA弁護士の昨年8月9日の通話内容によると、イ前代表の主張は信ぴょう性に欠ける。イ前代表は電話で、「浦項(ポハン)に行ってイム・ソングンに会うことにしたが、今回問題になったことで辞表を出すというのを私が止めさせた」、 「絶対辞表を出すな。私がVIPに話をする」と語っていることから、少なくともイ前代表はイム前師団長の存在を知っていたとみられるためだ。

 イ前代表は「VIPに話をする」というのは自分が言った言葉ではなく、海兵隊出身の元警護処職員のB氏がイム前師団長とやりとりした携帯メールを読み上げたもので、「(録音記録を見ると)誤解を招くような内容には違いないが、事実ではない。もし(自分がそのような話を)したとすれば、大袈裟な表現を使った」と主張した。さらに「VIPは(キム・ゲグァン)海兵隊司令官を指したもので、B氏は目上の人をVIPと呼ぶ」と付け加えた。しかし、イ前代表は録音記録で、数回にわたり「私が(辞表を書くことを)やめさせた」と強調しており、イ前代表の説明は信ぴょう性に欠ける状況だ。

 A弁護士との関係についても、イ前代表は昨年3月、慶北浦項で行われた韓米合同上陸訓練の際、海兵隊戦友招請で偶然会った後、一度だけ食事をしたのが全部だという趣旨で釈明したが、ハンギョレの取材によると、イ前代表はA弁護士と数回にわたり電話で話したことが分かった。

チョン・ヘミン、オ・ヨンソ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )