急流に巻き込まれ女性が不明、体育館では壁崩壊…韓国で豪雨被害続出

AI要約

慶尚北道で豪雨による被害が相次いでおり、女性が急流に巻き込まれ行方不明になる事件や体育館の崩壊などが発生している。

道内では停電や道路の流失、住宅被害、農作物被害なども報告されており、避難やパトロールなどの対応が行われている。

知事は道民の安全を最優先にし、豪雨や猛暑など様々な自然災害に備えた対応体制を強化する意向を示している。

急流に巻き込まれ女性が不明、体育館では壁崩壊…韓国で豪雨被害続出

8日から2日にわたり多くの雨が降っている慶尚北道(キョンサンブクド)で豪雨の被害が続出している。40代の女性が急流に巻き込まれて行方がわからなくなったほか、体育館が崩壊した。

9日午前、慶山市(キョンサンシ)の農道で浸水した自身の車を確認していた40代の女性が急流に巻き込まれ行方がわからなくなった。慶尚北道消防本部と慶山市によると、この日午前5時12分ごろ慶山市珍良邑平沙里(チニャンウプ・ピョンサリ)の河川で40代女性が急流に巻き込まれる事故が発生した。女性の行方がわからなくなっているのはこの日午前8時20分ごろ、女性の軽自動車の中から携帯電話などが見つかったことで明らかになった。

◇浸水した車を確認し急流に巻き込まれる

通報を受けて出動した警察と消防当局が車のドライブレコーダーを確認した結果、車内にいた40代の女性は、車が浸水したことから車外に出て確認していたところを急流に巻き込まれたという。消防当局は車両21台、人員93人を投じて行方不明者の捜索作業を進めている。

安東市臨東面大谷里(アンドンシ・イムドンミョン・テゴクリ)では97世帯で停電が発生した。この日午前11時現在までに68世帯で復旧を完了した。残り29世帯は道路が流失しており復旧作業が遅れている。この日午前5時40分ごろには慶山市河陽邑(ハヤンウプ)の瑚山(ホサン)大学前の国道4号線と車5台が浸水した。

◇山崩れで体育館の壁崩れる

安東市の盛昌(ソンチャン)女子高校では学校裏にある急斜面が崩れ落ち、体育館と駐車場に土砂が流入して体育館の壁が崩壊した。盛昌女子高校はこの区域を立ち入り禁止にするとともに生徒らの安全確保に向け8日と9日は短縮授業と休校とした。

安東市と英陽郡(ヨンヤングン)では道路の斜面が流失し道路に土砂があふれる被害が発生した。英陽郡では住宅5軒が半壊し、安東市、永川市(ヨンチョンシ)、英陽郡で住宅30軒が浸水するなど住宅被害もあった。安東など慶尚北道北部地域では632.5ヘクタール規模の農作物被害が出た。

慶尚北道によると、6日から9日午前11時まで尚州市牟西(サンジュシ・モソ)で309.0ミリ、義城郡多仁(ウィソングン・ダイン)で260.5ミリ、安東市臥竜(アリョン)で254.0ミリ、尚州市内で218.6ミリ、安東市内で182.9ミリ、177.7ミリ、167.7ミリなどの降水量を記録した。永川市臨皐面(イムゴミョン)では1時間当に64.5ミリの雨が降った。

◇慶尚北道で1165世帯1642人が事前避難

10日までに大邱(テグ)と慶尚北道南部地域には120ミリ以上、慶尚北道北部には150ミリ以上の雨が降るとみられる。

8日に災害安全対策本部が非常第2段階を発令した慶尚北道は人命被害が懸念される地域の1165世帯1642人をあらかじめ避難させる一方、13市郡1710集落で3565人を動員してパトロール隊を稼動している。パトロール隊は豪雨被害脆弱地域を中心に巡回し、危険の兆候が見つかればただちに住民を避難させる。

慶尚北道の李喆雨(イ・チョルウ)知事は「過度ながらも徹底して対応し人命被害がないようにすることを関連部署に指示した。道民の安全と生命を最優先に考えてこの夏の豪雨と猛暑のような多様な自然災害に備えて対応体系をさらに強化したい」と話した。