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アフリカのSDGs達成、資金不足で「風前の灯火」=報告
アフリカが2030年までに国連が定めた持続可能な開発目標(SDGs)を達成するためには資金不足が深刻であり、特に貧困や飢餓、健康と福祉の分野で進展が見られない状況。
アフリカは1兆6000億─10兆4000億ドルの資金が不足しており、国際舞台での発言権の不足や統一された意見の欠如が課題となっている。
アフリカ諸国は資金調達の仕組みやリーダーシップを改善し、天然資源を有効活用することで自立した開発を実現すべきだ。
Libby George
[ロンドン 19日 ロイター] - アフリカが2030年までに国連が定めた持続可能な開発目標(SDGs)を達成する希望は、資金不足のために「風前の灯火」になっている――。スーダン出身の富豪モ・イブラヒム氏の財団が19日公表した報告書でこうした見方を示した。
報告書によると、アフリカで進展が見られているのは17項目のSDGsのうち「つくる責任つかう責任」と「気候変動に具体的対策を」の2項目だけで、「貧困をなくそう」「飢餓をゼロに」「全ての人に健康と福祉を」の取り組みは特に思わしくない。
背景にあるのは資金不足で、アフリカ54カ国は2023─30年までにこうした目標達成に向けた資金が1兆6000億─10兆4000億ドル足りないと見積もられている。
イブラヒム氏はロイターのインタビューで「アフリカは国際舞台で発言力を持っていない。54カ国ばらばらの声を集めても単なる雑音にとどまっており、人々が耳を傾けることができる一つの意見を持つ必要がある」と強調した。
報告書は、アフリカ諸国が資金調達の仕組みを劇的に変えることや、指導者たちが他の地域の首脳らにアフリカのニーズを訴えるために一致団結することなどが必要だと提言している。
イブラヒム氏は、アフリカが有する豊富な天然資源をもっと有効に活用すれば、自力で開発資金を賄えるとも主張した。